見出し画像

『少女と夜』 ギヨーム・ミュッソ≪La Jeune Fille et la Nuit≫ - Guillaume Musso

著書名:≪La Jeune Fille et la Nuit≫
    『少女と夜』

著者名:Guillaume Musso(ギヨーム・ミュッソ)
1974年フランスのアンティーブで生まれた。ニース大学で経済学を勉強し、モンペリエ大学院経済学科で修士課程を修了後、高校教師として在職しながら執筆活動を開始した。デビュー作≪Skidamarink≫に続き、2作目≪その後に≫を出刊しフランス文壇にセンセーションを巻き起こした。3作目の小説≪助けて≫は、アマゾン・フランスで85週間連続でベストセラー1位を記録した。フランスの言論では、‘ギヨーム・ミュッソはひとつの現象’という修飾語がつくほど賛賞され、現在全世界40カ国以上の読者が彼の小説に共感と支持を送っている。

<あらすじ>
 サン=テグジュペリ国際高校でみんなが付き合いたがるビンカ。ビンカと最も親しい間柄だったトマは、ビンカが望まなかった妊娠をしてしまったという事実を知り、アレクシ先生を訪ね暴力を加えてしまう。遅れて加勢したトマの友人マクシムがナイフでアレクシ先生を刺し、その場で殺害してしまう。学校の体育館の建設工事を担当していたマクシムの父フランシスが死体をコンクリートに混ぜ、壁の中に遺棄する。また同時期に、ビンカも跡形もなくどこかへ失踪してしまう。その後、25年のあいだ彼らが犯した犯罪は、誰にも気づかれない秘密であった。しかし、トマとマクシム、フランシスは、犯罪の記憶に苛まれ長い年月を生きてきた。
 サン=テグジュペリ高校は、開校50周年を迎え‘卒業生歓迎パーティ’を開催することになった。作家になりニューヨークに住んでいたトマは、25年ぶりに高校時代に親友だったマクシム、パニー、ステファンと再会する。誰かが25年前に起こった残虐な殺人事件と死体遺棄についての秘密を知り、トマとマクシムには近頃復讐の意志を表す脅迫が届いていた。果たして25年前の殺人事件の秘密を知っているのは誰なのか?
 トマとマクシムは、復讐を狙っている相手が誰なのか全く知らない中、25年前の事件をもう一度調査し始める。トマは、緻密な調査を進めていく過程でビンカ失踪事件の衝撃的な事実を知ることになるのだが。。。

<感想>
 今回は、ギヨーム・ミュッソの『少女と夜』を韓国語で読みました。数ヶ月前、韓国の書店に行くと必ずと言っていいほどベストセラーの棚に置かれていたのがこの作品だったので気になり手にとってみました。ギヨーム・ミュッソという作家については、日本ではほとんど知られていないようなのですが、韓国ではミステリー小説の愛読者から愛されている外国人作家のうちの一人です。
ということで自分もミーハー感はありますが、韓国語でこの作品を読むことにしました。
 
ページ数は380ページほどの量にもかかわらず本当にスラッと読めてしまうおもしろさでした。かなり展開が早いのであっという間に読み終わります。笑
25年前に起こった事件とその犯人について最初から読者は知っている中で、その真相について物語が進んでいくという形式。とにかくどんでん返しがひっきりなしに続くので、途中で中だるみしない作品です。
 
ギヨーム・ミュッソが自身の出身地アンティーブを舞台にした作品を書きたかったと言っているように、小説にはアンティーブについての詳細な描写がところどころにされています。読んでいると本当にフランスに行きたくなほど、背景描写は繊細になされていました。
ミステリー小説の色合いが濃いなかでも、最近ヨーロッパで多発していテロだったり、社会問題となっている同性愛だったりについてのテーマも散りばめられているのが特徴です。
 
この作家さんが書いている他の作品もいくつか韓国語に翻訳されているので機会があれば読んでみたいです!
日本でも『少女と夜』の日本語版が早く出て欲しいです。笑
日本語版が待ちきれない、韓国語で小説を読みたいという方!ミステリー好きな方には是非とも手にとってほしい一作です。


もみじ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?