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ショートヘアと30代の歩き方

久しぶりに、ショートヘアにしました。

私はショートヘアが一番好きで、周りから褒められるのも、たぶん外見の要素にも合っているのもショートヘア。

20代のほとんどをショートヘアで過ごしてきたけど、ここ最近はミディアムとロングを行ったり来たりで、ショートヘアはご無沙汰してました。

もうすぐ30歳になる。
久しぶりに切ってみようか、と思ったことについて。
過去のふり返りが長くなってしまったけど、お付き合いいただけると嬉しいです。




私は人よりも少し受験の多い学生時代を過ごしました。

中学受験を経験しているけど、高校も受験しています。大学も受験。
そこで終わりではなく最後にもう1回。就職前にも受験する機会があって、大学3年の1年間を丸々勉強に充てました。
小学校高学年から就職するまでに、3年に1回ペースで受験していることになります。

学校が楽しくて仕方なかった時期も、辛かった時期も、目を細めてまるっとまとめると、それなりに充実していた学生時代。常に薄っすらと、受験を意識しながら過ごしました。

1回受験が終わると、ひと休み。そしてまた次の受験に向けての準備期間。その繰り返し。


人生初めての挫折は、最初の中学受験の時。
私は子供の頃から本を読むのが好きで、その中でも特にファンタジーが大好き。
名作ファンタジーをほとんど読破した中での一番のお気に入りは、ハリー・ポッターです。
小学校に入学した頃、ちょうど日本語版「ハリー・ポッターと賢者の石」の発売が始まって、当時ハリーと歳が近かった私は、ハリーと共に歳を重ねました。

何度も繰り返し読んで、映画の新作は必ず観に行って、杖を振り回し、箒で空を飛ぶ夢は小学生だった頃の私のテッパン。よく見ました。
あの頃、ホグワーツの入学許可書を健気に待っている子供は少なくなかったはず。
私もそのうちの1人でした。


そんなファンタジーが大好きだった私は、小学校5年から塾に通い始めます。
中学受験に向けて、遊ぶ時間を削って勉強に打ち込んでいたわけですが、勉強自体を辛いと思った記憶は無くて、受験についてもポジティブな印象でした。

でも今ふり返ると、受験というもの対して、どこか現実味が欠けていたと思います。

一緒に受験した皆が合格するわけではない、ということは分かっていたけど、不合格になるのは、きっと私の知らないどこかの「誰か」。
結果を出す自信があったとか、そういうこととも違う、不合格通知を受け取る人のことは、物語の脇役のストーリーであって、私ではない、自分から遠いところの話だと考えていました。

封筒に入っている結果通知の「不合格」の文字を見た時は、辛さや悲しみよりも先に、こんなことってあるんだと。
驚きのあまり「えっ」とか「あれっ」とか小さく声が漏れたような気がします。
不合格になる「誰か」は、どこかの誰かではなかった。主人公をやってたつもりが、あなたは脇役だよ、と言われたような感覚でした。
自分の選択で現実が大きく動いた、始めての経験です。

そこからも受験は続いて、合格も不合格も受け取る経験をしました。
大学3年から準備した最後の受験は、運良く努力が実って、今の仕事に繋がっています。


受験何回目かの時は、これはいつまで続くんだろうと思っていた頃もあったけど、23歳で就職する頃にはゴールに向かって淡々と走ることに慣れっこになっていました。

何もやっていない曖昧な時間がむしろ苦手。
計画通りに、目標に向かってひたすら走っている方が、余計なことを考えずに済んで心地良い。
私があまりに計画的なので、家族は冗談交じりに「suuの歩いたあとは草木も生えない」とも。


ふり返ると、10代から続いた受験を引き継いで20代にすっかり定着したこのスタイル。
30代はもう少し柔軟に、肩の力を抜いて過ごせたらいいと思います。

私は A に集中すると、他のB、C、Dが見えなくなってしまうところがあります。
子供が生後6ヶ月頃の日記に書いた、私が楽しく子育てする極意を見出したというメモには
「子育て以外は一切やめてみる!子育てがしんどくなるのは、他の余計なことを気にしながらやるからだ」とか書いちゃうほど。
今見るとかなりヤバイ内容になっている…

トマウマ、というほどの大層なものではないけど、私はやれるところまでやらないと、思い描いていたストーリーから外れてしまった時の感覚を思い出して、ちょっと不安になってしまう。
だからやり過ぎちゃう。

もう少し、子育ても仕事も、私自身のことも、力を抜くことを怖がらず、バランスを取れるといいと思う。30代はバランスを意識することが大切になるようにも感じている。

子育てをしていることが、仕事にプラスになったらいいし、仕事で経験したことを将来子供に教えてあげられるかもしれない。
私自身が楽しめることも大切にしたい。何かに集中して自分のことを後回しにしていると、20代があっという間だったよりも、きっと30代はもっとあっと言う間に過ぎ去っていってしまいそうだから。

ショートヘアは楽そうに見えて、頻繁に美容院に通わないといけないから意外と手間がかかります。
子育てと仕事と忙しい毎日に、美容院に通う時間は無いなあと避けていたけど、やっぱり好きだから、切ってみました。

ついつい視野が狭くなってしまうから、伸びてきたショートヘアを整えに行くたびに、私の30代はバランス…と思い出せたらいいなと思います。




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