DELF B2試験当日の難易度と感想
昨日、趣味で勉強しているフランス語の資格テストDELF B2を受けてきました!
最近はずっとこのために勉強をがんばっていたので、まずは無事に終わってホッとしています。
DELF B2の試験情報を日本語でネットで探す際に、結構前の情報しかヒットしなくて「実際どんな感じなのか行かないと分からないな〜」と少し不安だったので、記憶が新しいうちに昨日のテストの内容・形式を記録しておきます。
⚠️あくまでも一体験談として参考になれば嬉しいです。難易度も私の感覚で、人によって感じ方は違うと思います。
DELF公式サイト:https://delfdalf.jp/ja/diplomes-et-tests/delf-tout-public/
リスニング(30分)
DELFはまずリスニングから始まります。
形式
長めのリスニング(2回聴ける)
短めのリスニング(1回のみ)
公式が出しているサンプル問題の Exemple 2 と同じでした。選択問題と記述問題が両方あって、感覚的に、全体の4〜5割くらいは記述式でした。
1つ目の2回聴ける方が問題数自体も多く、記述式の割合も5割かそれ以上だったように思います。
2つ目は短めなのと1回しか聴けないからか、問題数は少なく、記述式も3割くらいだった気がします。
ちなみに、ネットでは「記述式問題はなくなっています」という情報をよく見かけますが、公式サイトにはこういう記述があるのでご注意を!
訳すと「DELFのリスニングとライティングのテストは、公式セッションで2つの形式が公表されています。練習問題や設問の数、文書の長さ、設問の形式は、それぞれの形式によって異なります。どのフォーマットも試験の合格に有利でも不利でもありません。」というような感じです。
2つの形式というのはサンプル問題 Exemple 1 と 2 という形で公開されており、誰でも確認できるようになっています。
Exemple 1:全て選択問題
Exemple 2:選択問題&記述問題
私が受けた試験は Exemple 2 の形式と同じでした。
ただ「どのフォーマットも試験の合格に有利でも不利でもありません」とはいえ、記述の方が難しいと感じる人が多いと思うので、試験対策の段階では記述式があることを前提に対策しておくほうがいいと思います。
内容
※私が理解して覚えている限りの内容なので、若干違う可能性が高いです。
畑を貸し出しているサービスの代表を招いたインタビュー(なぜこの事業アイデアを思いついたのか、これまでの職歴、具体的にどんなサービス内容なのか、何に役立つのか、今後の展望など)
無料でネット業界で働くための勉強を提供する新しいスタイルの学校の事例紹介(どんな人のための学校か、どんな需要があるのか、どうやって経営資金を集めているのかなど)
難易度
リスニング音源の聞き取りやすさは公式が出しているサンプル問題の Exemple 1 くらいの難易度で聴きやすかったです。
問題の難易度は Exemple 1 と 2 の間くらいで、1ほど易しくはないけど2ほど難しくはないと感じました。
ちなみに対策本はおそらく定番のこちらを使っていたのですが、この参考書、どのパートもかなり難しく設定されていると思います。
リスニングに関しては、私はこの本の問題を解いて答え合わせして50%を超えることはほとんどなかったですし、本が進むにつれて難しくなるので、最後の方の問題は5点もいかないんじゃないかくらいで試験が近いのにめっちゃ落ち込んでました(笑)
※DELFは各パート25点満点なのですが、最低5点(20%)は取る必要があります。
で、実際に受験したDELFのリスニング問題はこの本に比べてかなり良心的でした。
試験対策用の問題集はちょっと難しめに作られていて、実際の試験はそれよりは易しい、というのはテストあるあるの一つな気がします^^;
対策本ではそもそも音質が悪くて聴き取りづらいこともありましたが、実際の試験では背景音等の雑音が少ない音源でした。発音も多分特別なアクセントなどは入っておらず、学習者的に聞き取りやすい話し方でした。
使われていた単語もB2レベルに適していた気がします。対策本のリスニングは何もかも難しすぎて基本1回目で内容をちゃんと把握できることってほとんどなかったのですが、本番では1回聴いた後でも全体を大体把握できているくらいでした。
最終的には迷った問題もいくつかあったものの、それでも全部回答を埋めることができました(対策本では適当に答えることすらできない問題が必ず毎回1問はありました)。
ちなみに記述式では、数字や人物・機関名の書き取りは出ませんでした。
なので、「その単語知ってないと書けないでしょ」「その単語ピンポイントでめっちゃ集中して聞き取らないと無理でしょ」みたいなちょっと意地悪な問題は感覚的にはなく、流れと要所を理解していたら解けるタイプの問題が全てだったように感じます。
リーディング(1時間)
リスニングの後はそのまま休みなしでリーディングです。
厳密には、リスニング・リーディング・ライティングは筆記試験として1つ共通冊子になっており、試験時間も休みなしで合計2時間半です。回答用紙も最後にまとめて提出します。
なので、例えばライティング→リーディングの順でやったり、リーディングは40分で終わらせて残り時間をライティングに使うとかも全然大丈夫だと思います。
私は、練習通り1時間リーディング→1時間ライティングで進めました。
形式
長文読解
長文読解
長文2つの読解問題でした。こちらも公式が出しているサンプル問題の Exemple 2 と同じ形式でした。
リスニングと同様選択問題と記述問題が両方あって、同じく全体の4〜5割くらいは記述式でした。
内容
※私が理解して覚えている限りの内容なので、若干違う可能性が高いです。
自然が及ぼす子どもへの良い影響(自然の近くで育つ子どもはそうでない子どもに比べ記憶力がいいなどと良い影響があるという研究結果の記事)
公共交通機関の無料化(公共交通機関を無料化することにしたある街の実例。無料化の是非について、色々な意見を交えながら書かれている記事)
難易度
長文自体の難易度はサンプル問題の Exemple 1 くらいで、問題の難易度は2に近いと感じました。
詳細はリスニングで書いたこととほとんど同じで、まとめると以下の通りです。
対策本の問題ほど難しくなかった
テーマも使われている単語も問題も比較的良心的で解きやすかった
改めて思いますが、あの対策本はちょっと難しすぎる気がします^^;
「公式のサンプル問題程度だったら大丈夫そうだけど、対策本の問題となると全然だめ…」と悩む人、多分安心していいと思います。
ライティング(1時間)
形式
最低250字
内容
「あなたは街の子持ち家庭の会のメンバーです。公園を駐車場にする案が市役所で出ているので、それに反対する手紙を市長さんに書いてください。なぜ公園が大切なのかを書いて、考えを改めるよう説得してください。どんな解決策があるかも書いてください。」
というような感じでした。
市長さんへの手紙!想像通り!という感じで嬉しかったです(笑)
▼前日に見ていたB2で出やすいテーマでも出てきていました。最近の試験傾向的には定番のテーマなんだと思います。
難易度
公式が出しているサンプル問題と同じくらい(テーマも激似!)です。
試験前には対策本に出てきていたライティング問題にも事前にいくつか取り組んでいたのですが、時々困っていたのがそもそもの導入文が難しくて書くシチュエーションをちゃんと理解できているか分からないことでした。
これまでドイツ語を教えてきた生徒さんの中でも、そもそも問題文をしっかり把握できていなくて求められている内容ではないことを書いてしまっている方がいましたし、意外とライティング試験のキーは問題文理解にあると思います。
で、今回の試験でもそれが少し心配だったのですが、問題文は全然分かりやすく、課題自体も対策本やサンプル問題でやったものにかなり類似していたのですごく書きやすかったです。
最後に文字数を数えたら、376語書いていました。
書くのは好きかつ得意なので、ここで点数取れてたらいいなあと思います。(いっぱい書く=良いでもないですけどね…!)
ちなみに文字数を書く欄が回答用紙にあるのですが、それは自分で埋めるべきなのかどうかよく分からなかったです。私は念のため自分で数えて書いておきました。
スピーキング(50分)
形式
テーマ選び
30分:準備
20分:試験(5〜7分:テーマについてのスピーチ、残り時間:試験管2人とディベート)
テーマ選びでは、前に15枚くらいの紙があって(中身は見えない状態)、どれか2つ好きなものを指すように言われました。
選んだ2つの紙を渡され、それが試験用のテーマ(テキスト)2つでした。その場でどちらについて話すか素早く選ぶ必要はなく、そのまま準備室へ行き、どちらにするか選ぶのも準備時間に含まれていました。
試験では、はじめにちょっとした自己紹介もお願いされるかなと思っていましたが、自己紹介は一切なく、名前の確認と選んだ問題番号を伝えたら「じゃあ好きなタイミングでスピーチ始めてね」という感じでした。
内容
※私が理解して覚えている限りの内容なので、若干違う可能性が高いです。
採用で遊びを取り入れるのはどうか(Jouer pour recruterみたいなタイトルでした)
携帯がないと生きていけない現代社会について
私は一つ目のテーマを選びました。
2つ目の方が話しやすいかなとも思ったのですが、職業柄1つ目の方が話せる自分の経験が多そうだなと思ったからです。
難易度
テーマやそれに関するテキストの難易度は、公式が出しているサンプル問題と同じくらいです。
2つランダムで選んで、どちらにするか決めるのは準備時間内で大丈夫なのは助かるなと思いました。
1つ想像と違ったのは、テーマに関するテキストの出典明記はありませんでした。スピーチ対策ではじめにテキストを紹介するセリフ Ce document a été publié (dans le Journal / sur le site Internet )… Son auteur s'appelle… を暗記して練習の時も言うようにしていましたが、本番ではまさかの出番なしでした。
その後スピーチですが、こちらの難易度はしっかり対策してたら練習通りしたらいいだけなので(緊張はしますが!)練習次第。
私は対面でフランス語を話す機会は基本なく、オンラインのみなのでそれだけ少し不安でしたが、そんなに対面とオンラインで話す差はないかなと思います。
最後のディベートは、後で詳しく書きますが想像より難しかったです。
何となく試験管は1人かなと予想していたのですが、2人だったので緊張が増しました。お二人ともネイティブの方でした。
スピーチは練習の段階で7分を超えることが多くて、本番でも結構話してしまったので8〜9分くらいは経ってたんじゃないかなあと思いますが、途中で遮られることはなく最後まで聞いてくれました。
テストなので当たり前なのですが、目の前でどんどん採点用のメモ(?)を取られるのは、話しててすごく変な感じですよね^^;
その後のディベートは、試験管それぞれから2〜3問質問が飛んできました。
その中の1つの質問がちゃんと理解できたか不安だったので、もう一度言ってもらえますか?と伝えたところ言い直してくれました。その時にメモは一切取られていなかったので、聞き返す=ダメではないと思います。
仮に減点対象になるとしても、違う解釈のまま見当違いな返答をするよりは言い直してもらってちゃんと理解してから進めるほうがいいんじゃないかなと思います。
▼公式HPにもこういうアドバイスがありました。
質問内容は、結構しっかり突っ込んでくるなあというのが正直な感想で、早く終わらないかなあと思ってしまいました(笑)
相手の意見(質問)を受け入れつつも自分の立場をあくまでも保持するのが大事だと思うので、そこに気をつけました。
スピーチとディベートの詳細
私が話したことと、それに対しての質問を記憶の限り書いておきます。
<スピーチ>
テーマ:採用で遊びを取り入れるという新しいアイデアはうまく機能するのかどうか
テーマの内容(テキストの要約):若者を惹きつけ、面接では中々発掘できない才能や性格を知るために、採用で遊びを取り入れるのかどうかというアイデアが最近出ている
ポジティブな見解:応募者にとっては緊張しないいい場になる。私が大学生で就活中も、選考過程で遊びがあった企業があった。そこで新しい友だちを作っていまだに付き合いのある友だちも知っている。
ネガティブな見解:企業にとってはいいアイデアではない。遊びを通して知れることは少ない。例えば、プライベートと仕事では性格が変わる人は多い。私もその一人で、プライベートでは静かだけど仕事ではアクティブでオープンだ。遊びを通して見せる自分はどちらかというとプライベートの自分になると思う。企業は仕事で関わる人材を探しているのだから、合わないのではないか。それに、このアイデアが機能するかどうかは仕事の分野によると思う。例えば私は語学学校を運営していて講師の面接もしているが、自分の会社ではこのアイデアはそんなに良くない。なぜなら、講師の仕事は遊ぶことではなく授業を提供することだから。
結論:私はこのアイデアに反対だ。もし若者を惹きつけたかったり何か目新しいことをしたいのであれば、他の解決策を考えるべきだ。例えば私は、いい雰囲気のカフェで面談をすることはいい代替案だと思う。
<ディベート(質問された順)>
遊びを取り入れることによる利点も以前として大きいのでは?
→できると思うけど、そこで遊びを取り入れるのは必要ではないと思う。なぜなら、実際にそれで採用となっても一緒にすることは遊びではなくあくまでも仕事だから。カフェでの面談も、遊びと結局は同じじゃない?(居心地のいい場を提供するという意味で)違いは何?
→カフェでの面談は仕事についての話をするので遊びとは違う。遊びは遊ぶだけなのに対して、面談では仕事の話ができる。いい講師を見つける上では遊びは活用できそうじゃない?(熱量、柔軟性などを見つけられるという意味で)
→講師の仕事は授業であって遊びではないから自分の会社ではこのやり方は取り入れない。講師の適性判断のため、私の会社ではデモレッスンをしてもらうようにしている。でも、「遊び」をレッスンに取り入れる講師も多いのでは?
→自分もよく遊びをレッスンで取り入れるので、遊びをレッスンに取り入れること自体には賛成。ただ、それはあくまでもレッスンの一部。デモレッスン等をしてもらって、その中でやってもらえたらいい。逆にどんな分野ではこのアイデアが通用すると思う?
→選考段階をいくつか分けているような大企業で、一次選考として遊びを取り入れるのはいいと思う。
他にも2つくらい質問があった気がするのですが、忘れました^^;
私はこのアイデアに反対という立場をとっていたので、ディベートでは当たり前ではありますが、そこを突っ込まれました。
正直もっと簡単な質問が飛んでくると思っていたのですが、B2レベルだからかそこは結構ちゃんとしたディベートで、学習者相手に結構容赦なくくるな…!とびっくりポイントでした。
ディベート中は試験管の2人も当たり前ですが真剣で、はじめ入室した際の Bonjour! の挨拶では笑顔もあったので結構和やかな雰囲気で進めていってくれるのかな〜なんて思ってましたが、試験中は和やかだなとは感じませんでした(笑)
でも最後終わった後は、C’était très bien.(とても良かったよ)と試験管の1人が微笑みながら言ってくれ、嬉しかったです。
最後の挨拶 Bonne journée! Au revoir! も和やかな感じでホッとして帰路に着けました。
DELFを初めて受ける人が知っておくといいこと
私はDELF受験が初めてだったのですが、初めての方が知っておくといいかもしれないことを最後にまとめておきます。
試験ではボールペンのみ使用可能(黒or青)
修正液の使用OK(私は準備してなかったので、書き直したいところは線でピピッと上から引いて訂正を横や上に書きました。見た目はよくないですが、採点には関係ないと信じて…)
試験項目は、リーディング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能。各25点満点で、合計100点
合格ラインは50点
ただし、1技能あたり最低5点は必要。1つでも5点未満のものがある場合、不合格。
日本受験の場合、年2回開催(春+秋)
受験地は意外とたくさんある
ライティングでは匿名性重視のため、仮名を使うことが推奨されている(私は Sophie Leblanc という仮名でいきました)
日程や受験地、申し込み等は公式サイトをご確認ください。
試験結果
気になる合否ですが、結果はまだ出ていませんが、多分合格ラインは大丈夫じゃないかなと思っています。
まだかまだかと待つこと1ヶ月半ほど、12月21日に結果が発表され、無事合格していました!
当日の感覚的にはもう少し取れてるかなと正直思ってたので少し落ち込みましたが、それもバネにしてC1に向けてがんばろうと思い直すいいきっかけになりました。
ちなみに、合格発表日は未定、サイトに行っても繋がらないので「本当に私の答案採点されてるのかな?」と不安でしたが、実際合格がネットに反映された日にはアンスティチュフランセからメールがきましたので、とりあえずはメールを待てばOKだと思います。
これまでのフランス語勉強法については、以下のnoteでまとめているので興味がある方がいれば、ぜひ。
引き続き、C1目指して楽しみながらがんばります〜♩
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