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【ナッジ施策の効果検証】続編:口座振替案内はがきにナッジを使ってみました。

こんにちは❗こまえのデザイン. (狛江市 未来戦略室)の銀林です。

今回は、昨年8月に納税課と協業して作成した『ナッジを活用した口座振替案内はがき』のその後、として、このはがきが実際に口座振替の手続きに繋がったのか。その効果を検証してみたいと思います。

(前回の記事はこちら▼)

あらすじ

この案件は、市税の納付管理を行う納税課のT係長から相談が寄せられたことから始まりました。

市税の口座振替については、それまで納税通知書に口座振替の申込用紙を同封したり、広報こまえに必要な手続きを掲載するなどして案内していましたが、「他に有効な手段がないか?」ということで、好奇心溢れるT係長の発案から、ナッジを活用した口座振替の案内はがきを出すことになりました。

“ナッジはがき”の作成

今回の固定資産税の口座振替案内はがき(ナッジはがき)は、以下の2つのパターンを作成しました。

①口座振替により、“納め忘れ”のリスクが9割近く減ることを伝えるもの
②市税の延滞金の利率が高いことを強調して、だから口座振替をお薦めしています、というもの

そして、この2種類のナッジはがきは、令和4年度固定資産税2期(納期限:令和4年7月末)の未納者を対象に、8/25に1,998通(①1,000通、②998通)を発送しました。

左:①納め忘れリスク強調ver. 右:②延滞金利率強調ver.

さて、ナッジはがきの効果は…

さて、この2種類のナッジはがきは、実際に口座振替の申し込みに繋がったのか。

その結果は、、、

ナッジはがきを送付した1,998件のうち、56件(他の税目含めると70件)が口座振替の手続きに繋がりました!

(※注 納税義務者数ベース、令和5年2月までに手続きを完了した方)

ふむ、、、1,998件のうち56件。割合にすると2.8%…

前年度との比較で検証してみる

この数字、、、少なくないか?? と正直思いましたが、これを(ナッジはがきを送付していない)昨年度の固定資産税の口座振替の申込件数と比較すると、

昨年 : 令和3年9月~令和4年2月の申込件数  221件
今年 : 令和4年9月~令和5年2月の申込件数  266件
=45件(20.4%)の増!

おおっ! 増えてる!!

補足) この分母となる固定資産税の課税対象(納税通知書発送件数 ※当初課税、納付書のみ)は、令和3年度13,700件→令和4年度13,724件とほぼ同じでした。

担当課の評価は。

また、担当の納税課としては「今回は、固定資産税の督促状の対象者に対する勧奨通知であったため、固定資産税のみ課税されてる方もいるところですが、ターゲットとした固定資産税の口座振替の勧奨については、このナッジはがきの送付により、有意な効果が見られたと評価しています。今後は対象者の選定基準(=督促状送付対象者)を見直して、より効果のありそうな方へのアプローチを考えたいと思います。」とのことでした。

狛江市におけるこれからのナッジ活用

今回の市税の口座振替促進のためのナッジはがきについては、このような結果となりました。

はがきのデザインによる差が認められなかったり(※56件のうち①29件、②27件)、はがきの中で見せ方を工夫した "オンライン申込み" があまり伸びなかった(※56件のうち12件)など、思ったように結果が出なかった部分もありましたが、ナッジ手法について、担当課からも一定の評価をもらえたことは、未来戦略室としても率直に良かったと思っています。

来年度、狛江市では、別案件でナッジ活用に向けた検討チームを組成する予定です。
また、このナッジ検討チームには、異なる分野への横展開や、庁内の隠れた人材の発掘を狙って、担当部署以外の有志の職員の参加も募っていきたいと考えています。

(ヒント 狛江駅前南北通路、ほこみち)

このプロジェクトの具体的な内容については、また別の記事でお伝えできればと思います。

それではまた次の記事でお会いしましょう。
ありがとうございました!

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ、「スキ」や「コメント」をいただけると嬉しいです!

※このnoteは、狛江市未来戦略室のスタッフ3名が交代で執筆しています。それぞれの文章のスタイルもあわせてお楽しみください。

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