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変わりゆく今と調和する生き方

PERFECT DAYSという映画を見た。
あの日から平山さんが私の中にいる。


1 形をなぞる

平山さんの毎日は無駄が省かれた形をなぞるような日々だ。
ただ毎日同じではない。

日本舞踊やお茶など日本の伝統文化は
形をなぞることから始める。

「頭で考えないの。」(日々是好日の樹木希林の言葉)

同じことを繰り返す。
同じ動作を繰り返す。
同じ繰り返しと思っているが、全部違う。
その日の天気、その日の気持ち、その日の匂い。。。
同じように見えて同じでない。

娘の日本舞踊のお稽古を見ながら
娘が音に体をなびかせているように見えた。

私なら、「この後はこうで次はこう。」と頭ですぐに考えてしまう。
一つずれると大変だ。

しかし娘は音をしっかり聞いている。
遅れたらその時の音にストンと下り、
早かったら待つ。
形をなぞりながら、音を聞ける。

多分もっと他のことも調和できるようになるとまた一つ変わってくる。
形をなぞるという日本文化は奥深い。

2 五感を大切にする

目に見えるものだけでなく
言葉になった音だけでなく
毎日にはたくさんの音が、匂いが、感触がある。

耳に届く音。
漂ってくる匂い。
肌にあたる感触。
口の中の味。
全てが今なのだ。

晴れの時の音。
雨の時の匂い。
夏の日差し、冬の刺すような寒さ、春の穏やかな空気、秋の寂しい音。

同じような毎日に
違う音・匂い・感触たちが交わってくる。
毎日形をなぞっているようで、
全く違うものになるのは、不思議で楽しい。

3 変わりゆく変化と調和する

平山さんは毎日同じ朝を迎えているように見えるが
その違いをしっかり体に染み込ませ調和している。
心がいつも穏やかだ。

朝のルーティン。
途中でハプニングが起きると心がすぐ乱れる私。
やろうと決めていたことが思い通りにできないと
イライラし始める私。

その変化と調和できたら心穏やかに過ごせるのだろう。
五感で感じる変化と調和するように
日々起こることとも調和したい。

昔の日本人の生活は今よりもっと調和していたのだろう。
そして、日々の違いにみんなが敏感で
その違いを楽しんでいたのだろう。

今の日本はどうだろう。
目覚めた時鳥の鳴き声を聞いている人が何人いるだろう。
朝家を出る時空を見上げている人が何人いるだろう。
肌にあたる風にふと目を閉じる人が何人いるだろう。

今の日本は忙しすぎるのだろうか。
今の日本は自然との調和を断ち切っているのだろうか。

毎日の中のほんの少しだけの違い。
その違いに気がつけるような生き方をしたい。
その違いを楽しめる生き方をしたい。

そう思った。

そしてまた見よう。
見るたびに違いを感じられる映画だ。

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