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狛犬歌留多 Vol.5

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狛犬を求めて完結編。あ〜す編。
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聖地巡礼 「君の名は」 須賀神社

四ツ谷駅から歩くこと15分。職質を受けそうなほど閑静な住宅街。教会や二葉亭四迷の邸宅跡がある。通りかかる住人の視線がイタイ。良いオトナが昼間に住宅街をキョロキョロしながら歩いていると怪しさしかないのだ。これからは場違い感を和らげるためウーバーイーツのカバンと自転車で偽装すべきかと思案する。曲がりくねった道を進むと長い石段が突如現れる。長編アニメ映画「君の名は」の舞台となった須賀神社。ラストシーンで主人公とヒロインが試練を乗り越えて再会する場所だ。 昭和の「君の名は」の舞台と

世良田東照宮

日本の寺社仏閣は全部カーナビに入っているのではないかと思う。 私の車についている、データも当時のままの10年前の機種に変わらず載っているので、神社は定番の寄り道スポットだ。 世良田東照宮には、狛犬はいなかったが、狐には会えた。裏手に猿もいたな。 歴史公園は林に囲まれた各種の施設があり、ワンストップで各所にお参りができる。

かもめの旅する三浦半島 森戸神社とリトルアメリカ

時を巻き戻したかのような常夏の葉山。海水浴客でごった返し、道路も大渋滞。バス停も長蛇の列。みな海が大好きだ。やっとの思いで下車。森戸海岸は白砂青松という言葉がぴったりくる。武士の歴史が色濃い関東。森戸神社は源頼朝が1180年に創建した三嶋大社の分社。葉山の総鎮守である。風にたてがみをなびかせた海の狛犬とうねる緑のコラボ。 磯を歩き、砂浜に降りる。おやつに持ってきた生温かいスイカをかじる。夏の味がした。水着を持ってこなかったことを後悔した。 黄昏時の横須賀へ。駅の裏手を一歩

鎮守氷川神社

曇りと雨の日が続き、週末の天気が気になっていたが、晴れた。天気が良いだけで嬉しくなり、昼間の暑さも気にならない勢いで西川口を訪問した。 木に囲まれ、咲き始めた小ぶりのアジサイも植わっていて、一休みしていこうかな、と思わせる空間。 夏服の参拝客たち、ちりちり鳴るガラスの風鈴、ご神木の葉を眺める。 丸っこい笑顔の狛犬たち。

お江戸奇譚 回向院(ゑかういん)

現在はコロナに振り回される東京だけど、火事と喧嘩は江戸の華。幾度も天災や人災に見舞われ、沢山の歴史と逸話を残してきた。回向院(エコウイン)はそんな江戸ならではのオールラウンダーなお寺で、安政大震災や関東大震災、東京大空襲の犠牲者、溺死者、遊女、水子や刑死者、犬猫小鳥など懐深く弔っている。 両国駅から徒歩10分。大通りに面した場所に回向院はある。1657年の明暦の大火の犠牲者10万人余りを弔うため建てられたお寺である。明暦の大火は三大大火の一つに数えられ、振袖火事と呼ばれてい

狛犬は語る

7月のある平日の朝、芝大神宮を探して歩きまわる。地図と照らしあわせながらそれらしい建物を探したがすぐには見つからず、裏側からアプローチしていたからだった。お勝手口のような細い通路が正面につながっている。人の家の敷地に入るような気分で進み、植木鉢やベンチの間を抜けると、ビルの間にすっと神社がある。 外回り中らしき人が次々と来ては参拝を済ませていく。流れを乱さないように速やかにお参りする。め組の喧嘩はここから始まるのだった。 見晴らしが良くてすっきりとしたレイアウトが素敵だ。

御嶽神社

2022年始まった気分のまま、寒い寒いと言っていたら、もう梅が咲き始めている。 宮益坂のビルとマンションの間、御嶽神社に何度か参拝した記憶がある。街中の神社が好きで、通りかかると中の(?)様子を知りたくなる。 神社の建造物の配置は、何か神社的な意味があるんだと思う。その一方で、人が入りたくなるレイアウトとしてああなっているんじゃないかとも思う。キャットタワーのような。 狛犬はブロンズの日本狼。寒くて曇った日の午後、横のビルの居酒屋は賑わっている。数メートル先の空気は、ここと

妻沼聖天山

埼玉県道45号本庄妻沼線という県道を通勤に使っていたことがある。 細くてカーブが多く、周りは静かで、夜の通勤時間帯を過ぎると何ともいえない味わいがあった。 道中で妻沼聖天山の看板を見かけた瞬間、そのうち行こうと心に決めて通り過ぎ、数十分後に家に帰ったら全部忘れるパターンを十数回繰り返した後、突然何かの拍子に思い出し、冬のある日に訪問した。 狛犬の脇に幟を立てて、ソーシャルディスタンスを呼びかけていた。境内には他にも味のある狛犬たちがいる。 本殿は、緻密なフルカラーの彫刻が

湯殿神社

別府沼公園を散策していたら、反対側の出口に直結している神社を見つけた。 神社の斜め裏に通じる細い道を進み、藪の中のカラスの鳴き声を聞きながら、看板に書かれた遺跡の解説を読む。 参道を逆走して表に出ると、狛犬たち。 ご神木も素敵。

桐生八幡宮

通っている美容院が仮装して営業していた。ハロウィンである。店でテーマを決めているらしく高校でありJKというか制服のギャルである。仮装のネタになるほど浸透したのかギャル。幸いメイクは黒い方のあれではなかったので逆に昔の感じを思い出させるところもあり懐かしがってしまった。今も現役はいるんだろうか。 そんなことを話ながら散髪をしてもらいつつ、紹介してもらったあかね噺を読んだらとても面白い。落語の話でちゃんと軸があるだけじゃなくて、知ったつもりになっていて実は知らない落語のこと、由

佐谷田神社

国道17号線から少し逸れた道沿いに大きい看板が見える。神社に通じる細い道は車がすれ違えるかどうかの幅で、片側には蓋のない側溝があるので注意が必要だ。ガードレールや路側帯に慣れすぎて、両側に何もない道だと無駄にふらついてヒヤリとする。まっすぐ走れていないことに気づく。 秋晴れの午後の日差しを浴びる狛犬たち。筋が見えてる前足が素敵。 境内の松。幹にけっこうな角度がついていて、盆栽ぽい。

浅草神社

川越に行って小江戸と呼ばれる界隈を散策し、邦楽のコンサートを聴いたり喜多院で春日局ファンのお姉さんにガイドされながら戦乱の世に思いを馳せつつ、翌日は浅草へ。行く先々がどうも江戸である。 お昼過ぎからホッピー通りのお店はほぼ満席だ。まだ明るいけど席の空気感は宵の口である。時間帯でいえば昼呑みだが、前倒しで夜呑みしている勢いである。夜多めの週末も楽しそうだ。 平成中村座の二部を鑑賞して、あれこれ反芻しつつ歩く帰り道。SNSの前評判をいろいろ見てきたのですこし構えて観たのはまずか