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黒い家の魔犬


マラソン選手になれたかもしれない

ある年に我が父が母のために、母方実家から1時間ちょっと程の所に家を建てた。
(当時の私の)我が家からは県外で車で3時間半ほどの新興住宅地で、休みになると遊びに行っていた。

ある日のこと、私と弟は遣いに行かされた。
私には3つ下の弟がいる。(ポール・マッカートニーに似てる)
我が家から2軒隣の黒い家に犬が飼われていた。
大層吠える犬で名前は知らない。
今の私なら『バスカヴィル家の魔犬』と名付けるだろう。
その日の魔犬は自分の家のごつい門から「ワンワンワンワンワンワン!!!!!」と私達に吠え立てた。
門以外にも囲いがあるので大丈夫だろうと思いながら弟と通り過ぎた。
すると犬が囲いの草むらから顔を出して吠え始めた。
それでもまさか身体を出せるとは思っていなかったので「大丈夫、大丈夫」と高を括っていた。
すると、魔犬は囲いを抜け出し私達めがけ走ってきたのだ。

柵から出てくる魔犬とマジで黒い家

「「ギャーーーーーーーー!!!!」」

私達は逃げた。
とにかく走った。
しかし途中で弟は離脱。
何故か犬は私だけをめがけ追いかけてくる。
何故なんだ?なんで???
( ゚д゚)ハッ!
(もしかして犬は私と遊びたいのかもしれない!!!後ろ振り返ったらシッポ振ってるかも!!よし、シッポ振ってたら手を広げて私は犬を抱きしめる!!)

と走りながら振り返った。

しかし、犬の顔は魔犬だしシッポは振っていなかった。

「シッポふってへんしーーーーー!!!😭😭😭😭😭」
と大声を出しながら走る私と吠え走る魔犬。
近所の人たちは私と魔犬が戯れていると思っているようで、笑顔で私達を見ている。
どうやったらそう見えるん!?😭
つーか、お前ら笑ってんと助けんかーいっ!

そのまましぱらく全力で走ると私と魔犬。
どちらがあきらめるかの勝負だった。

結果、私が勝ち魔犬は帰っていった。

後に弟は
「お姉ちゃん、めちゃくちゃ外国人のマラソン選手みたいな走り方ですごいスピードやった」
と言われた。
いや、あんたも助けろ!

こんな事があっても犬はスキー。

とある本を読んで思い出した話。


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