北斗に生きる。-第9話-
明けて正月から、寒稽古の時である。
丁度、運悪く体調が悪い。毎朝、病室まで検温にゆく。寒稽古に参加することが出来ない。
二日目、「寒稽古がいやで検温に行っているのだろう。お前みたいなやつは死んでしまえ」
といわれる。翌朝、軍医少尉殿に寒稽古に出て銃剣術の仕合に出たい旨を話し、全治にしてくれと頼んだ。軍医殿は何かを感じたらしく、体調が悪かったら病室に来いと、全治にしてくれた。
翌朝は、まだうす暗い寺の境内に集合する。
いきなり「村山、出てこい」と班長が挑戦してきた。
この時を