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こんな働き方、いかが?個人と組織のちょっといい関係。

 最近、自分の働き方が、ちょっとおもしろいなと思っている。組織に属しながら起業してる感覚なのだ。

 私は、国家公務員として国土交通省の一組織である観光庁というところで働いている。幹部・上司のもと、政府が掲げるミッション達成に向け、観光政策を考え、実行する。言ってみれば、「組織に属して働く会社員」、「サラリーマン」と同じなんである。身分が「公務員」というだけで、働く形態もそんなに変わらない。

 観光の仕事といっても、たくさんの職業がある。私は、たまたま「公務員」という職業で観光に携わっているけれど、職業というのは、何かを達成するための「手段」だと思う。そう、天命に向かうための手段。

「公務員になりたい」、「カフェをやりたい」、「〇〇という大手企業で働きたい」たまに、それが目的になってしまっている人がいるけれど、職業はあくまでも、何かを達成するための手段だ。また、その形態も、個人の活動、会社などの組織に属する、独立起業と様々だ。目的に向かうスケール感もメリットもスピード感も、それぞれ違う。

 観光の仕事は、愉しいだけでなく自分にとってまさに天命だと思っている。私の場合、ありがたいことに自分の向かう先(天命)も見えていて、それを達成しうるひとつの手段として、今ここにいるのだと理解しているし、現状ではベストな選択だとも思っている。その天命に気づけたのは、この組織のおかげでもあるのだけれど。転職を重ね、様々な環境や土地で働き、そして、ここで天命に出会えた。

 ただ、ここ数年少し悩んだりもしていた。組織に属してできることの限界と、ここを飛び出して独立することで広がるかも知れない世界。またその逆も。自分にとって、天命に向かう手段として、どちらのやり方がいいのか。もしくは、ほかにも、自分に合った別の手段もあるのかも知れない。

 でも最近思うのは、私の今の働き方は、もしかしたら、既存の枠とはすこし違うところにあるのかなと、いうこと。

 いまの自分の働き方を、言い表すとしたら「個人が組織(会社)を利用する」「組織内起業」のような感覚なのだ。
具体的には、組織にいながら、その組織のリソースやブランド力、信頼を最大限に使って働く。組織に使われるのではなく、組織を使う働き方

「観光庁の小俣さん」だから、はなしを聞いてもらえること、情報が入ること、ここにいるから手に入る情報、人脈、経験、そして信頼。
もちろん、それらは、ただ組織にいるというだけで勝手に身につくものでも、使えるものではないので、自分の努力が当然必要なのだけれど。
でも、それらが血肉になったとき、それはすべて私の武器になる。
そして、その武器を手に、自分らしく、自分の得意を発揮すればするほど、組織自体や組織のミッションに貢献できる=自分の天命にも向かうことができる。例えば、お役所が最も苦手とする政策広報。難解な霞が関文学も、私というフィルターを通して読み聞かせ、解説することで、伝わる場面に何度も出会った。私が個の力(発信力、表現力、伝える力、調整能力 など)を磨けば磨くほど、それは、すなわち組織としての力も増すことになるわけだ。

そんな個人と組織のちょっといい関係性。これが、なかなか居心地がいいんである。しかもいまは、テレワークも相まって働き方的にも結構アリだなと思っている。マネジメントする側は、人事評価が大変かも知れないけれど、ね。

ということで、当面は「観光庁の小俣さん」として、がんばる所存ですので、どうぞお見知りおきを…!