深まる秋 教会のコンサートに行ってみませんか?
ヨーロッパでは宗教行事に合わせて教会音楽のコンサートが催されます。
クリスマス、復活祭はその代表格ですが、晩秋はレクイエムの季節です。
レクイエム(Requiem)はラテン語で「安息を」という意味で、死者のためのミサ曲として11/2の万霊節(Allerseelen)や贖罪の日(Buß-und Bettag:移動祝祭日/11/23直前の水曜日)頃に多く演奏されています。とはいえ、会場の関係もあるのでしょう、10月に入るとコンサートが始まっていきます。
モーツァルト、ヴェルディ、フォーレによる3作品は三大レクイエムといわれ、特に有名です。
歌われるラテン語の典礼文は同じですが、歌詞の繰り返しや用いられているパートが異なるため、それぞれの構成は同じではありません。
永遠の安息を 彼らにお与えください 主よ
そして 果てることのない光が 彼らを照らしますように
といった意味だそうです。
中でも、モーツァルトとヴェルディの怒りの日 (Dies iræ)はとてもドラマティックなので、TV番組やCMのBGMできっと耳にしたことがあるはずです。
Wolfgang Amadeus Mozart: Requiem - Dies irae / naxos japan
Giuseppe Verdi: Messa da Requiem - Dies irae / naxos japan
怒りの日 まさのその日
世界が炎に包まれる
ダビデとシビラが告げたように
テキストがつくと、よりよく聴こえるのではないでしょうか?
そもそも死者のためのミサ曲に、どうして怒りの日のような激しいパートがあるのかというと、天から降臨した神が人の生前の行いを審判し、天国へ召されるか、地獄に落とされるかが決められる「最後の審判」を描いているからだそうです。
ちなみに、フォーレのレクイエムには怒りの日 (Dies iræ)はありません。
こういったミサ曲は意味は分からなくてもなんとなく覚えていると、宗教絵画や教会の中で部分的なフレーズを見つけることがあります。
ちょっと得したような感じがするので、興味のある方は一つ二つ覚えてみてはいかがでしょう?
文字が描かれている場合、UがVになっていることもありますので、ご注意の程。
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