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晩秋にいただきたいもの

秋も深まり…と言いたいところですが、なんとも変な気候が続いています。

11月といえば、ヨーロッパはどんどん暗く、寒くなっていく頃。
残念ながら観光には全く不向き… 観光地では屋外施設の入場時間が短くなったり、冬季休館になったりするところも多く、折角行っても、入れないなんてこともあります。
12月になればクリスマスマーケットも始まりますが、11月の暗くて寒い夕方に外で過ごすのはおすすめできません。

さて、そんな時期ではありますが、この頃にはザンクトマルティンのガチョウ料理(Martins Ganzマルティンス ガンツ )というご馳走が楽しめます。

Laterneラテルネ, Laterneラテルネ Sonneゾンネ, Mondモント undウント Sterneシュテルネ… (ランタン、ランタン お日様、お月様、お星様…)
11月11日には、子供たちが自分たちで作ったランタンを手に、歌いながら行進し、お店や家を訪ねては、お菓子を貰います。

街の中でも大きな行列になると、先頭には、馬に跨ったザンクトマルティンがいるはずです。

ローマの兵士だったマルティンが、寒さに凍えていた貧しい乞食(姿を変えたイエス・キリスト)に自分のマントを剣で半分に裂いて分け与えたという故事から、マルティンが乞食にマントを分け与えるという寸劇の後、子供たちの行進は解散になります。

一方、マルティンのガチョウはというと、ガチョウがマルティンを困らせてしまった罰として食べられるようになったとか…
ちょっとかわいそうな気もしますが、晩秋の寒い日に、脂ののったガチョウ… ありがたくいただきたいと思います。

レストランでオーダーするときは、ムネ(Burstブルスト)かモモ(Keuleコイレ)が選べます。
モモは脂がのっていて魅力的ですがチキン・レッグのようにナイフとフォークで食べるのはちょっと大変。人前でかぶりつくのはどうも…という方にはムネがおすすめです。

さらに、11月11日と言えば、カーニバルが始まる日。
11月11日11時11分、カーニバルの精霊ホッペディッツ(Hoppeditz)がドイツ各地で目覚めたはずです。
飲めや歌えの大騒ぎは来年の2月ですが、カーニバル都市のお祭り好きにとっては待ち遠しくて仕方ないかもしれません。

それからもう一つ。オーストリアでは11月11日は、ワインの新酒、ホイリゲ(Heurige)の解禁日です。

暗くて寒い季節とばかり思っていましたが、探してみれば、色々楽しみは見つかるものですね!


#ヨーロッパ
#ドイツ
#聖マルティン
#ガチョウ

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