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なんとかの何曜日 は 復活祭にもあるのです

厳しい冬が終わりを告げ、新緑が芽生える春はヨーロッパにとってまさに復活の季節。
2023年の復活祭は4/9の日曜日ですが、多くのヨーロッパ諸国では、復活祭の日曜日、いわゆるイースター・サンデーの前の金曜(4/7)から翌日の月曜(4/10)までが祝祭日になっています。

春の訪れ、明るい陽射しからイーストが連想できるので、イースターという名前も自然と納得していましたが、この名前は、ゲルマン神話の春の女神Eostreエオステレにちなんで名付けられたと言われています。春の女神は太陽と共に現れるので、太陽が昇る方向をEastを(ドイツ語ではOstオスト)と呼ぶようになったそうです。

復活祭も当日の日曜日(Ostersonntagオスターゾンターク)の前の日曜日(今年は4/2)から、受難週(Karwocheカーヴォッへ)が始まっています。

日曜日:
Palmsonntagパルムゾンターク(エルサレム入城の日)
イエスが磔刑に処され復活する一週間前、エルサレムに入城した日です。
エルサレムへの入城時に,民衆がヤシ(ドイツ語でPalm)の葉を道に敷いてイエスを迎えたという故事から,枝の主日、棕櫚の主日、等とも呼ばれています。

月曜、火曜、水曜は地方によって様々な呼び方があるようです。(Wikipediaドイツ語版 参照)
カーニバルでは花の名前のついた日が多かったですが、イースターは色が多いみたいですね。

月曜日:
KarmontagカーモンタークBlauer Montagブラウアー・モンターク
意味的には、聖なる、青いといったところです。

火曜日:
Gelber Dienstagゲルバー・ディーンスタークBlauer Dienstagブラウアー・ディーンスターク schiefer Dienstagシーファー・ディーンスタークKardienstagカーディーンスタークEierdienstagアイヤーディーンスターク等々
順に、黄、青、間違った、聖、卵といったところでしょうか。

水曜日:
Guter Mittwochグーター・ミットヴォッホGroßer Mittwochグローサー・ミットヴォッホWeißer Mittwochヴァイサー・ミットヴォッホKarmittwochカーミットヴォッホPlatzmittwochプラッツミットヴォッホといろいろありますが、krummer Mittwochクマー・ミットヴォッホや、Schiefer Mittwochシーファー・ミットヴォッホと呼ばれる 受難の水曜日 が一般的なようです。(他は順に、良い、大きい、白い、聖なる、広場の)
この日はイスカリオテのユダが裏切りを行った日とされています。

木曜日:
Gründonnerstagグリューンドナスターク聖木曜日
最後の晩餐の日。晩餐の際にイエスが弟子達の足を洗ったことから洗足木曜日とも呼ばれています。
緑の由来はいくつかあるそうですが、この日に緑色のソースのお料理をいただくそうです。
(そう言えばほうれん草のソースに縦割りのゆで卵がのった食事をいただいたことがある…)

金曜日:
Karfreitagカーフライターク聖金曜日
イエス・キリストが磔刑に処せられた日でイエスの受難と死を思い起こす記念の日です。いわゆる13日の金曜日。

土曜日:
Karsamstagカーザムスターク聖土曜日
イエスの死を悼む日。

日曜日:
Ostersonntagオスターゾンターク復活祭当日
予言の通り、死の三日後の復活を祝う日。日数的に磔刑の日を一日目と数えているようですね。
この日はOsterhaseオースターハーゼと呼ばれる復活祭のウサギ”が庭や室内に隠していったOstereiオスターアイ(復活祭の卵)を子どもたちが探し回ります。実際はゆでたまごだけでなく卵の形をしたチョコレートやマジパンなどのお菓子も隠されていて、家族みんなで楽しんでいる様子。Kinder Ueberraschungキンダー・ウーバーラッシュングというチョコエッグがよく隠されますが、うっかり見つけ漏れがないよう、隠した数を数えておくことも…
このチョコエッグはキンダーサプライズという名前で以前、日本でも売られていましたが、今は代理店販売はないみたいですね。
卵は新しい生命を生み出す生命や復活の象徴ですが、イースターで沢山食べるというのは、カーニバルの後の断食の期間に溜まった分を平らげるということでもあるそうです。

月曜日:
Ostermontagオスターモンターク復活祭後の月曜日・聖月曜日
復活したキリストが、エルサレム近郊のエマオ村に向かう2人の若者の前に姿を現したということから、エマオの日(Emmaustag)とも呼ばれています。この日は、家族で自然の中を散歩するのがドイツ人の習慣。いつもの爆散歩とはちょっと趣が異なるようです。

復活祭での教会音楽といえばロッシーニのStabat Materスターバト・マーテル(ラテン語:悲しみの聖母)でしょうか。十字架にかけられたイエスの傍らで、悲しみに立ちすくむ聖母マリアの姿が歌われていますので、教会ではKarfreitagカーフライターク聖金曜日にコンサートが行われているはず。なかなかドラマチックな合唱付きの楽曲ですので機会があればご拝聴を。

#春
#ヨーロッパ
#復活祭
#イースター


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