知床のコムヌプリだより

北海道の東の果て 知床からの週に一度のお便り。 知床財団オリジナルショップ「コムヌプリ…

知床のコムヌプリだより

北海道の東の果て 知床からの週に一度のお便り。 知床財団オリジナルショップ「コムヌプリ」メールマガジンのバックナンバーです コムヌプリ➡https://www.shiretoko-komnupuri.shop/ メルマガ登録➡https://onl.la/yVS19Sg

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お便り配信はじめます&斜里岳登山【知床のコムヌプリだよりback no.0】

初めまして。知床財団公式ショップ「コムヌプリ」です。 私たち知床財団は世界自然遺産知床をフィールドに、知床の自然を知り、守り、伝え、よりよい形で次世代に引き継ぐための活動をしています。 ショップ名の「コムヌプリ」は「どんぐりがたくさんとれる山」というアイヌ語です。ヒグマをはじめ、多くの野生動物が暮らす知床がいつもまでも「コムヌプリ」であってほしいという願いが込められており、売上は知床の自然保護に利用されています。 (ショップでは私たち知床財団オリジナルのグッズや、地元や知

    • 新緑の畑【知床のコムヌプリだよりback no.81】

      こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、知床のもう一つの顔、農業のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 雪解けが進み、畑の緑が目立つようになりました。 写真は昨年の秋に蒔かれた「秋蒔き小麦」の畑です。 毎年春になると雪解けとともに私たちの前に姿を現してくれます。 この緑色を見ると、冬の間も雪の下で命を育んでいた作物の生命力に驚かされます。 斜里町では小麦や、ビート、ジャガイモなど多くの作物が育てられていて、4月からはジャガイモの蒔き付け作業

      • 春のグラデーション【知床のコムヌプリだよりback no.80】

        こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、遊歩道から眺める知床連山のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 暖かい日差しに誘われて、森づくりの道開拓小屋コースを歩きました。 森の木々はまだまだ新緑には遠いですが、ゴジュウカラやエゾライチョウの声を聴きながら歩く道は春の気配にあふれています。 遊歩道上に積もった雪はどんどんと解けて、時々足がとられてしまうほどでした。 開拓小屋コースの最奥まで行くと、開けた視界に知床連山が飛び込んできます。晴天の空

        • 春の息吹を感じて【知床のコムヌプリだよりback no.79】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、知床の春を感じる瞬間のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 今週から家の前に春の息吹、フキノトウが咲き始めました。 寒い冬の間も雪下で命を紡ぎ、今か今かと待っていたのでしょうか。 山菜を取りに行こうと意気込むも、次の週になったら旬が終わっている。 そんなことがよくあります。 春は山菜の季節です。 今年こそは旬を逃さないように、そしてヒグマに気を付けながら自然の恵みをいただきたいと思います。 接岸してい

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        お便り配信はじめます&斜里岳登山【知床のコムヌプリだよりback no.0】

          春の使者【知床のコムヌプリだよりback no.78】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、春にやってくる小鳥のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 雪景色の中にもどことなく暖かさを感じる今日この頃。知床についに春の使者がやってきました。 その名も「ハクセキレイ」。 ハクセキレイは日本全国で観察できる身近な小鳥です。知床には、夏鳥としてやってきます。 小さくてほっそりとした体に白黒のカラー。白い羽に日が当たりキラリと光る姿がとても美しいです。 ウトロ周辺では海岸線沿いに見かけることが多く車を

          春の使者【知床のコムヌプリだよりback no.78】

          これはなに?【知床のコムヌプリだよりback no.77】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、春を感じる〇〇のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 突然ですがこれはなんでしょう。 手のひらに乗る小さな黒い物体。二本のするどいトゲに、少しグロテスクにも見える凹凸。 正解は「ヒシ(菱)の実」です。これが植物なんだから驚きです。 二本の角はとても鋭利で、触ると痛いです。これが自分の周りにばら撒かれていたら踏んでしまいそうでどうにも動けません。そう、忍者が使う「まきびし」はこの実に由来しているともいわ

          これはなに?【知床のコムヌプリだよりback no.77】

          おはよう ヒグマ【知床のコムヌプリだよりback no.76】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、ヒグマの冬眠明けのお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 3月14日、斜里町内で年が明けてから初めてヒグマの目撃情報が寄せられました。そろそろヒグマが冬眠から覚めて動き出しているようです。 昨シーズンは、ヒグマの主要な食物資源、ハイマツやミズナラの実、サケ科魚類の遡上数が少なく、また知床のヒグマの生息個体数がそもそも多いことも重なり、大量出没が起こりました。 人もヒグマも苦しい昨シーズンとなりましたが、

          おはよう ヒグマ【知床のコムヌプリだよりback no.76】

          黄昏と流氷【知床のコムヌプリだよりback no.75】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、夕方に見た流氷のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 黄昏時。雲の間から淡く輝く夕焼けが流氷を照らし、幻想的な風景を作り出していました。 凪いだ海面は空を映し、クレーターのようにも見える流氷との陰影が美しいです。日中の目の覚めるような青と白の風景とはまた違った趣深い表情です。 一日一日、またとない表情を見せてくれる流氷。今年はいつまでその姿を見せてくれるでしょうか。 まだまだ気温は低いですが、日の高さ

          黄昏と流氷【知床のコムヌプリだよりback no.75】

          発見!エゾモモンガ【知床のコムヌプリだよりback no.74】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、エゾモモンガのお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 フワフワのフォルムにもこもこの尻尾、愛らしい仕草。そして見つめられたら失神してしまいそうなつぶらな目!被膜を広げて空を滑空する姿で多くの人々を魅了する、エゾモモンガの季節がやってきています! エゾモモンガは夜行性のため、普段はなかなか出会うのが難しい動物です。2月から3月にかけては繁殖のために昼夜を問わず活動するため、森で出会うチャンスがありますよ。

          発見!エゾモモンガ【知床のコムヌプリだよりback no.74】

          流氷当たり年【知床のコムヌプリだよりback no.73】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、ウトロにびっちりと接岸している流氷のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 「海の青はどんな色だったっけ?」 1月29日の接岸初日から一か月あまり。ウトロの港を埋め尽くす圧巻の風景を眺めながら、ふとそんなことを思ってしまいました。接岸した流氷がずっとウトロの海岸を覆っていて、スタッフも皆口をそろえて「ここ数年で一番流氷が多い」と言っています。知床自然センターの流氷定点観測展示で昨年の様子と比べてみても、一

          流氷当たり年【知床のコムヌプリだよりback no.73】

          エゾタヌキ日向ぼっこ中【知床のコムヌプリだよりback no.72】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、エゾタヌキのお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 立春を迎え、知床にも早すぎる温い風が吹きました。春のような日差しの中、ウトロの町で一匹のエゾタヌキに出会いました。 ぼさぼさの毛並みでぼんやりと座って、いかにも寝起きですといった様子です。 タヌキは寒さに弱く、気温が低くなると代謝を落として冬ごもりをするので、冬はあまりその姿をみることがありません。冬ごもりと言ってもヒグマやシマリスのような冬眠をするの

          エゾタヌキ日向ぼっこ中【知床のコムヌプリだよりback no.72】

          「冬芽」が熱い冬【知床のコムヌプリだよりback no.71】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、木々の冬の姿「冬芽」のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 冬の知床の森では普段は中々お目にかかれないものを発見することがあります。 それは「冬芽(とうが・ふゆめ)」。 積雪によって目線が高くなることで、枝の先の冬芽を観察することが出来るのです。 冬芽とは、冬の間寒さや乾燥から身を守るために冬眠状態になっている木の芽の事を言います。(休眠芽とも言います) 知床では5月ごろに新緑が芽吹き、10月ごろに

          「冬芽」が熱い冬【知床のコムヌプリだよりback no.71】

          氷平線【知床のコムヌプリだよりback no.70】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、知床の流氷接岸日のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 知床・プユニ湾の風景です。 流氷がついにウトロの海岸にも接岸しました。オホーツク海は遠く水平線まで流氷に白く埋め尽くされていました。 空との境目に日が当たり一層白く輝く氷平線を眺めていると、頬に当たる一段と冷たい風の感触と相まってまるで違う惑星にいるような錯覚を覚えます。 あんなに接岸を楽しみにしていたのに、接岸してしまえば、いずれ溶けてしまうそ

          氷平線【知床のコムヌプリだよりback no.70】

          流氷初日【知床のコムヌプリだよりback no.69】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、知床から流氷が初めて見えた日のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 今週、1月21日についに知床は「流氷初日」を迎えました。 流氷初日とは視界外の海域から漂流してきた流氷が、視界内の海面に初めて現れた日のことです。オホーツク海の水平線上に白いすじのような流氷を目にすると、懐かしくて胸がいっぱいになるような、「おかえり!」と言いたくなるような、なんだか不思議な気持ちになりました。 流氷初日から一週間、流

          流氷初日【知床のコムヌプリだよりback no.69】

          ふわふわのエゾシカ【知床のコムヌプリだよりback no.68】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、冬のエゾシカのお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 「ふわふわ」と聞いてどんな動物を思い浮かべますか? キタキツネやエゾリスのふわふわの尻尾、エゾモモンガのふわふわのフォルム、厳しい寒さから身を守るために冬毛を纏った知床の冬の動物たちを思い浮かべる方も多いかもしれません。 知床の大型の哺乳類、エゾシカももちろん冬毛になります。しかし、知床ではほっそりとした夏毛のエゾシカのイメージが強く、「ふわふわ」の

          ふわふわのエゾシカ【知床のコムヌプリだよりback no.68】

          流氷を待つ日々【知床のコムヌプリだよりback no.67】

          こんにちは。知床のコムヌプリだよりです。 今回は、流氷の訪れを待つこの頃のお話です。 はじめましての方はぜひこちらをご覧ください。 厳冬期に突入し、流氷の訪れを待ちわびる季節となりました。 輝く冬晴れの空の日と強い吹雪の日が交互に訪れ、寒さはどんどん深まっていきます。 北風の冷たさに体をこわばらせながらも、この風に乗って流氷が知床にやってくるのだと思うと少しだけ心は弾みます。 気象庁ホームページの海氷予想を見ていると、地図上の流氷はサハリンを超えて知床半島の目と鼻の先に

          流氷を待つ日々【知床のコムヌプリだよりback no.67】