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声かけひとつで動作が変わる。意識して声かけを使い分ける。

こんにちは、コモレビです。

かなり久しぶりの投稿になってしましましたね。リハビリをしてく今後のことだったり、いろいろと悩みもあって、きちんと記事として読者さんの有意義なものを書くことが難しい。そう思っていました。でも、それも成長の過程であって悩みながら、やっていく。そう吹っ切れれましたw

今まで放置していた間、ときどき基本動作の分析シリーズが読まれていたので、その辺の内容をシリーズでやっていきたいと思いました。でも、さすがに比重が思い内容なので、バックグラウンドで同時進行で進めていきたいと思います。まとまったらアップします。

今回のテーマは、「声かけ」についてです。

声かけについて、意識すること

声かけについて、意識することとは何か?いくつか想像できることがあると思います。声を音として捉える場合、大きい音であれば相手の覚醒が乏しい場合に使えますし、火事とか事故とか危険が伴うことを知らせる意味があると思います。小さい音であれば、その逆で過敏敏感になっている場合や音を立てたくない場合に使えます。つまり、大きい音は覚醒を上げたり注意を向けさせる。小さい音は、刺激を減らす目的があると思います。そう考えると。確かに、適度な声量で、聞きやすいトーンの方が心地よくなり印象が良くなりますよね。

ただ、リハビリでの声かけでは、さらに別の側面を意識します。

明確な言葉を避ける場合やあえて無言にします。

リハビリでの声かけでは運動指示としての声かけを意識する。

リハビリでの声かけではコミュニケーションとしての声かけと運動指示としての声かけを使い分けます。

では、よくある立ち上がり練習場面でセラピスト側が運動指示をして上手くできないことの多い失敗例を出します。

セラピスト
「立つ練習をします。背筋を伸ばして上に立ち上がってください」

わかります?この場面での失敗部分?

「背筋を伸ばして、上に立ち上がってください」

これって、本当に伝わっているでしょうか。セラピスト側では立ち上がりの構成要素など人体の基本知識があるので、自分たちの中では、背筋を伸ばす場所や良い姿勢の定義がなされています。一方で、相手は我流です。一般的に良いとされる知識を学習して動くのではなく、やりやすいから、いつもこうやっているからといった習慣化した運動パターンをとります。セラピストからの指示を自分のやり方というフィルターを通して、表現します。結果、過度に緊張してしまったり、努力的なってしまったりとかえって余計なことを言わない方がうまく立ち上がりことができる場面はけっこう多いです。こちらのイメージを押し付けるとうまくいかない場合があります。

なので、改善案としては、段階を踏んで習慣化した運動パターンを修正すること。声かけについては、その中であえて明確な具体的な指示はしない。体に触れながら「こんな感じ」などのあえて抽象的な言葉に置き換える。人によっては、「体を起こして」とか個人の反応に合わせて言葉を探りながら使い分けるとよいと思います。

なぜ、そこまでシビアに考える

理由があります。習慣化した運動パターンの修正に適切な声かけが不可欠でるからです。リハビリで周囲無言なんてありえません。シビアになりやすいのは特に脳卒中の場合が多いですが、簡単に説明します。

【モデルケース】
脳卒中左片麻痺で簡単な曲げ伸ばしはできるが、手すりがないとうまく立てない。立ち上がりでは手すりを引っ張って立てているが、手すりがないとうまく立てない。最近、手足の強張りが出てきた。

今回のケースでこのまま我流で立ち上がり練習を続けた場合
運動パターンが固定化して、機能回復が遅くなります。

脳卒中になると、筋肉の強張りなどが回復とともに出てきやすいです。その強張りは、非麻痺側での努力的な運動により助長されます。

要するに、固定パターンの連続→麻痺側の手足の強張り→努力性が増す→固定パターンが強まる。といったループに入りやすいです。

今回のケースでは、手すりを使用しないで立つ方法もしくは、手すりを使用しても、手すりを引っ張らないで立つ方法の獲得が必要です。

そのために、セラピストが一刻も早く姿勢パターンを修正しながら、動作の介助量軽減を図るのが急務です。とくに入院期間が限られている病院では時間との闘いです。成功体験を積み重ねるために、最初の一回の成功をしてもらうのがとても大変なんです!なので、リハビリの開始から計算して一貫して同じ言葉を使ったり、刺激の入らない場所で行ったりとすべてのものに配慮します。

手すりを引っ張りやすい原因としては、非麻痺側や使いやすい部分の多用です。脳卒中になると、今まで何も考えずに行っていた姿勢の構えなどがうまくいきません。体幹も麻痺によって両側をも影響を受けるからです。なので、身体が丸まっていようと、上手く座れないにも関わらず、無理くり、残存する非麻痺側などを使って立とうとする場合は入院初期でよく見られます。

固定パターンは手足を使う際に先行する習慣化した運動パターンの学習の結果

なので、一回のリハビリでの目標は、手足の柔軟性や筋力をつけることはもちろん必要なことですが、一番大切なのが、運動パターンを変えることです。そこまで、やらないと身体は変わりにくい。

良くあるのが、リハビリをしてリハビリ室を出たとたんに、いつもの歩き方になってる....。よくあります..笑

声かけを気をつけることで、固定化された運動パターンの修正に効果的だと思います。

生活のすべてを管理はできませんが、一回のリハビリで良い運動パターンで行える運動の回数を増やして、良い経験を積み重ねること。

難しいですが、確実に意識すると結果が変わってくるのが”声かけ”

運動をして機能を改善するリハビリに運動指示は必要。その指示にもセラピスト側としては、色んな考えがあって、それを実践してなんとか改善したい。でも、難しいことをやるほど、自分よがりになりやすい。相手への心配慮もおろそかにしないことも大切です。

完璧にはできなくても、ベストは尽くす。

こんな感じて今回はおしまいです。

読んでいただき、ありがとうございました。


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