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リハビリに活かす。読書より#1-セットとセッティング-

こんにちは、コモレビです。

僕は普段読書をするようにしています。今までは、リハビリ関係の本が多かったんですが、去年くらいからは、心理学系や人とはどういう考え方をするのか?といった内容の本を中心に読んでいます。

これってもしかして、けっこうリハビリに活かせるんじゃないか?

って思ったことを書いていきたいと思います。

今回ご紹介する本は「無(最高の状態)」 著 鈴木 祐

やはり、鈴木祐さん。参考文献の数がすごくて内容もエビデンスがある内容ばかりで信憑性を感じました。自己とは何か?なんとなく自分の中で、もう一人の自分自身の存在がいる感じは何か?などなかなか簡単には説明できないようなことも、わかりやすく書かれていて、純粋にすごいと思いました。冒頭より、例えば脊髄損傷で首から下が動かないとなった場合絶望するが、チンパンジーが半身不随になっても、ネガティブでなかった。それはなぜか?といった内容でどんどん読み進めたくなる本でした。

その中で「セットとセッティング」という話がありました。

セット    =個人の性格、感情、期待、意図などの状態
セッティング =物質的、社会的、文化的な環境の状態

リハビリに当てはめてみましょう。

セットの問題
=リハビリをするのが、めんどくさい。辛いことはやりたくない。

セッティングの問題
=リハビリ室でやるか?病室でやるか?

例えばですが、こんな感じです。

投薬に関しては
・セットとセッティングがポジティブであるほど、効果が高い。

・一方、本人が「こんな薬聞くはずがない」と思ったり、周囲の理解が得られないと、メリットが20%~100%の範囲で下がると言われています。

さらに、少し話は飛躍しますが、統合失調症の幻聴についても変わってきます。欧米人は幻聴の内容がネガティブであったのに対して、アフリカ人はポジティブであった。理由としては、アフリカ人では、幻聴はシャーマンのように神聖なものという捉え方、欧米人では幻聴はおかしいこと、異常であるという捉え方です。つまり、セッティングが違う。それだけで、統合失調症の幻聴の内容や本人の苦痛度までもが変わってしまう。すごいことですよね。

これをリハビリに活かせないか。

セットとセッティングを両方とも良くすると、当たり前ですがリハビリ効果が向上するということ。

セットの問題として、リハビリに対して、少しで良いイメージを持ってもらえるよにする。セッティングとして、リハビリの時は、気持ちを切り替える意味でリハビリ室で行うなどではないでしょうか。

<セットの問題に対して>

やる気を持ち続けてもられる努力をします。漠然とした不安は入院中はあると思います。それは仕方がありません。なので、漠然から具体的に変換していくようにします。

たとえば

・目標を具体的に設定して可視化する。
・どこが良くなってどこがまだ足りないかを伝える。
・リハビリでできる限界と可能性について伝える。
・やる気をもってもらえるように、自身の変化を感じ取りやすく、動画を定期的撮る、10m歩行など数字で出せるものを定期的に出す。
・やっているリハビリの意味を伝え、やっていることが何につながるかを共有する。

<セッティングの問題に対して>

場所だけでなく、「きっとこの人ならこんなことしてくれるんだろうな」と思わせるようにすることが必要ではないでしょうか。

たとえば

・ルーティン的なことをする。挨拶や雰囲気を統一する。声のトーンや声量を統一する。(これから、この人とのリハビリが始まるぞ!!と思わせる雰囲気を作る)

・同じ場所でやる(リハビリ室の決まったベッドなど)

など工夫すればするだけ、たくさんの可能性がありそうです。


今回は、セットとセッティングについての紹介とリハビリで活かすことで今やっているリハビリ効果を高め、コミュニケーションを良好にする可能性を考えてみました。良かったら参考にどうぞ。

では、ここまで。

それでは。





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