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いつかまたしんどい過去を思い返して辛くなったときに、思い出すと良いこと。



数年後か、数か月後か、数週間後の自分へ。あるいは、これを読んでくれたどこかの誰かへ。


2023年7月、僕はこの年の春から休職をしていて、人生で初めて精神科に通院し始めました。子どもの頃から、家族の見舞いやボランティアで、何度も訪れていた精神科病院に、僕自身がお世話になっています。

自立支援医療の制度を利用しながら、1~2週間に1度のペースで診察と、心理検査を受けて、心理士さんには検査以外にも、最近の調子やできごと、過去の話を聞いてもらっています。

受診できたときは、ほっとしたし、ああ、これで生き続けられるって思ったんですよね。実際何度か頓服薬には助けられたし、主治医や心理士の先生に、いろんな話を聞いてもらいながら自分を少し客観的に捉えられるようになったり、これからは無理のない、できるだけ自分に合った生き方をしていこうと思えるようになったりして、ほんとに助かってます。

だけど僕は、安心できる人にはなんでもかんでも包み隠さず話してしまう癖があるから、今週、心理士さんに、これまでの人生経験を時系列順に尋ねられたときに、小学校、中学校、高校、大学、それぞれの時期に経験してきたいろんなしんどさを思い出せる限り話してしまって、それでどっと疲れてしまいました。なんでもかんでも、聞かれるがまま話せばいいってもんじゃないってことは、覚えていてください。30年の人生で経験したしんどい経験を、1~2時間で一気に思い出すととんでもないことになります。どんなにマッチョな人でも、その重みに耐えるのは厳しいんじゃないかな。


これを書いている今は、休職中だから時間もあるし、しばらくの間しんどさに耽ったっていいし、多少気持ちが不安定でいたって誰に迷惑かけるわけでもないからいいんです。だけど今後働いたりとか、また誰かと暮らすようになったときに、何か回復するきっかけというか、道しるべになるようなものがあった方が良いだろうと思って、これを書いてます。気持ちが沈んでるときにも読みやすいように、箇条書きで書くから、ちゃんと読んでくださいね。


最初に押さえておくこと。

・時間がたてばまた楽になる
 
これまでもそうだったし、ほとんどのしんどさは時間が解決してくれるから、とりあえずやり過ごすこと。必要な時間が過ぎるのを待つこと。好きなことをして気を紛らわしてもいいし、ただ横になって鬱々としてもいい。気持ちを楽にしようと何か工夫するのも、あえてそれをせず、その時間は開き直って憂鬱さに耽っても、どっちでもいいです。ほんまにしんどかったら頓服も飲んだらいい。どちらでもいいから、気が向いた方、できれば楽な方を選んでくださいね。

・過去を思い返してしんどくなる人はたくさんいる。
経験してきたことや、しんどさの度合いは当然人によって様々やけど、何年たっても過去のことを思い出してしんどくなるって人は、たくさんいます。これまで出会ってきた人にも、トラウマを抱えた人はたくさんいたし、そういう人といろんな話をすることで、自分だけじゃないことに、安心させてもらってきました。そのことを思い出してください。

今この瞬間にしんどくなってる人も、たぶんいっぱいいるから大丈夫。多少不安定であろうと、そのことを悲観しなくていい。そういう人、いっぱいいるから。

トラウマや過去の経験じゃなくても、多くの人が、それぞれにいろんなハンディキャップを抱えながら生きていて、自分は今、たまたまそれが、「過去の経験を思い返してしんどくなりがちな脳や身体」やっていうだけ。一方で、そこから回復していく手立てをとろうと思えばたくさんとれるような自由さもあります。少なくとも30歳の僕は、体が自由に動くからね。不自由な体になったときは、いろんな人に頼りながら、制限があるなかでもできる方法をとってくださいね。


なるべく避けてほしいこと

自分や誰かを傷つけるようなこととか、暴飲暴食とか、不要なものを買うとか、あとで後悔するようなことはなるべくやめてほしい。だけど、楽になるために、ある程度自分を甘やかすことはしてもいい。

仕事をしていたり、するべきことがあるときは、しんどくてもいつも通りやった方が気持ちが安定することもあるし、そうこうしているうちに時間が解決してくれることも多いけど、どうしても目の前のことが手につかないなと思ったときは、休んで、この下に書くようなことを試してみてください。


試してみると良いこと


・いったん寝込んでみる
可能であれば、横になって布団に入って目をつむる。寝ても寝なくてもいいから、20~30分ほど横になって、布団のぬくもりに包まれて過ごしてみる。それだけでちょっとマシになります。(10月24日追記)

・とりあえず何か美味しいものを食べる
おいしいものを食べるとちょっと元気が出るし、そのあと、さらに自分を労わるだけのエネルギーが出る。サーモンとか、麺類とか、甘いものでもいい。だけど脂っこいものは取りすぎずると胃もたれしてまたしんどくなります。野菜を多めにとるのがいいです。きのことかナスとか葉野菜とか、トマトとか、そのとき食べたい野菜を食べてください。

・少しの間怠惰に過ごす
日中でも、休日だったら、横になってだらだらするのもいいです。ただ、自分の場合はずっとそれをしてると逆に憂鬱になりがちなので、1時間とか2時間くらいにして、ある程度落ち着いてきたら下に書くようなリフレッシュの方法をとって、何か行動してみてください。
(8月28日追記)

・水風呂に入る
 経験上、水風呂に入るとリフレッシュできて前向きな気分になれることが多いです。家の風呂に水をはってもいいけど、時間があったら銭湯に行ってみてください。外気浴、サウナ、水風呂、熱いお湯など、気ままに過ごしてください。サウナでテレビを見たら気がまぎれることもあります。何もやる気がないようなときは、グルメ番組とか、ちょっとした欲を引き出してくれるテレビも役立ちます。普段あんまり触れてないかもしれないけど、ポップカルチャーは気晴らしにいいもんです。

・熱いシャワーを浴びる
 水風呂をためる気力もないときは熱いシャワーを浴びるのもちょっと効果あります。
(8月28日追記)

・映画や漫画に没頭する
全然違う世界に入り込むような経験をするのもいいです。気持ちが切り替わるかもしれません。映画館行っちゃってください。ついでに泣いてください。
2023年の自分は、「ペンションメッツァ」っていうドラマをネットフリックスで見て癒されていました。いつまで見れるかわかりませんが。

・人に話を聞いてもらう
人に聞いてほしくなったら、友人にお願いして、電話で話を聞いてもらってください。しんどいときに遠慮せずにそれができるように、普段から無理のない範囲で人助けを当たり前にしておいてください。友人に話聞いてって言われたら聞いてあげてください。まあ、人の話聞くのは好きなので、たぶん言わなくてもやってると思います。

・環境を変える
時間とお金が許せば、旅に出るとか、山に登るとか、海を見に行くとか、今いる場所からできるだけ遠いところに行ってみるのもいいです。環境が変われば、気分も変わります。デンマーク留学の前後で、ずいぶん気の持ちようが変わったことを思い出してください。たぶん、自分の場合は、時々住む場所も変えた方が良いです。今住んでいる場所に執着しないように。

・散歩・運動
とりあえずちょっと歩いてみたり、ジョギングとか、バッティングセンターとか、泳ぐとか、体を動かすのもいいです。ハードな運動をして体を疲れさせてよく寝て起きたらすっきりしてることも多いです。

・掃除
普段してないところを綺麗にすると気持ちもすっきりします。

・手を動かして何かを作る
こんな風に文章を書くでもいいし、料理でもいいし、何か作る作業をすると楽になります。環境に働きかけるのが良いんやと思います。

・歌や本
うつになったときに聞いて救われた歌、読んで楽になれた本を思い出して、それらに触れてみてください。休むこと、そのままでいることを肯定してくれるようなものがいいです。これも、2023年のうつのときに救われたのをメモしておきます。
・森山直太朗の「花」
・YOASOBIの「ハルカ」
・「病と障害と、傍らにあった本」
・「種をまく人」

・香
好きなコーヒーの香り、お香や檜の木片、香水の香りを嗅いでください。一瞬でちょっと華やかな気分になります。

・podcastやstandfm
そのときの気分に合った、好きなやつを聞いてください。

・マッサージ
身体へのアプローチも大事です。体が凝ってしんどいと思ったらマッサージに行ってください。


ちょっと元気になってきたらすること

そんな風にやり過ごして、ちょっと元気になったらこんなことをやってみるのもいいです。

・やったことのないことをする
それまでしたことのないことを始めてください。新鮮な体験は、気持ちが前を向くきっかけになります。新しい世界が開けるようなことがいいです。

・人を笑わせること
ふざけたことを言って、誰かを笑わせてみてください。そしたら自分の気持ちも緩んで一石二鳥です。「60歳で、なんかおもろいおっちゃん(おっさん?)になる」って目標を立てたのを思い出してください。いつか、死にたいくらいしんどくなってる人をクスっと笑わせることができたらいいなあと、30歳の僕は思っています。


・できる範囲でやるべきことをする。

自分の身近なところにある社会を、メンタリー・ヘルシーにしていくことが、たぶん、どんな仕事をしていようと生涯変わらない、自分の目標です。波があろうと、そのときにできることが少なかろうと、自分にできることをやってみてください。そのために自分をケアすることが必要だったら、怠らずにそれをしてくださいね。


最後に。


しんどいときほど真面目に考えちゃう悪い癖があなたにはあるので、できるだけテキトーに、肩の力抜いて、のんびりやってくださいね。ふらふらして、ゆらゆらして、不真面目な人間になってくださいね。自分が力抜いて自然体でいた方が、周りの人もリラックスできるんじゃないかなーと思います。

究極、あらゆることがどうでもいいですからね。
なんでもいいんです。そう思って、そんなに力まずに、肩の力抜いて、したいようにしてくださいね。


たまには遠くを眺めてぼーっとしようね。