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休職期間の記録⑥体を動かす/休職中の居場所

いつも読んでくださってありがとうございます。

療養期間の記録から、”休職”期間の記録にタイトルを変更しました。あと、自分が読み返すときにタイトルで内容がなんとなくわかるように、内容と紐づくような言葉を入れました。


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もうすぐ休職してから1か月。いろんな出来事や感情の波があったけど、本当にあっという間に1か月が経ったように感じる。これほどいろんな人に支えられていることを実感した1か月は初めてかもしれない。

人と会って過ごすことが支えになる一方で、疲れやすいために長時間はいられない難しさもある。失礼がないようにしたい気持ちと、むしろ、自分を大事にするためにマイペースに行動して、それを受け入れてもらうことに慣れる練習をしてみたり。いろんなバランスを、その時々の体調に応じて考えながらゆっくり進んでいる。


原付で大阪へ

今日は友人が誘ってくれた「一人ひとりが自分の生き方を肯定できる社会」を目指して活動する団体”あわひ”がやっている”休む人のためのカフェ”に参加しに大阪へ。

時間をかけて、原付で奈良から大阪へ行ったのが気持ちよかった。

片耳につけたイヤホンでpodcastを聞きながら、阪奈道路を大阪方面へ。生駒から大東へ入るカーブの多い道が、雨に濡れた木々の匂いがたっぷりで、走りながら森林浴気分をあじわえる。帰りは夕方前の大阪の景色が見渡せて気持ち良い。雨の日は寒いし、ちょっと疲れはするけど、電車で行くより、原付の方が自分はかなり気持ちよく移動できる。交通費も安くつくし、これからも時間があるときは原付を使おう。

景色が変わっていく移動時間はすごくリフレッシュできるし、原付や車で走りながら考え事をすると、随分視野が広くなったり、前向きな気分になれる。

あわひの”休み人のためのカフェ”で、フォルケホイスコーレのことをちょっと話していた影響で、帰りはフォルケを日本に広める活動をしている山本勇輝さんの"KomoGomoDEN"というpodcastを聞いていた。

海外で活動する人だって、壁にぶち当たったり、挫折したり、いろいろしんどい思いしながら生きてんだなあと。どこで生きていたって、何をしてたって、うまくいかないときはあって、それなりに落ち込んだり、やさぐれたり、毒づいたりしながら、みんな生きてるんだなあ。


身体の状態への意識

トラウマに関する本を読んでいて、メンタルを回復するにしても、体へのアプロ―チが大事ってことを強く思うようになって、最近は久しぶりにボルダリングをしてみたり、コンタクトインプロビゼーションの初級編を教えてもらったりしている。

コンタクトインプロビゼーションは知人の紹介で始めたんだけど、まだまだ全然慣れてなくて、三半規管の弱い自分は、横になって相手に転がされるワークで、久しぶりに吐きそうになるほど酔ってしまった。

ダンスをしている人たちが自分の体に意識を向けるところとか、体をゆらゆらしながらストレッチしているところとか、そんな姿に、なんとなく影響を受けている。

休職してから、結構いろんな人と話をして、いろんな人の言葉に触れているけれど、話の内容そのものというより、出会う人たちの在り方みたいなものに、影響を受けてる感じがしている。マイペースさであったり、その人自身を丁寧に扱っている感じとか、ゆるやかさとか、強さとか、あるいは悩みを抱えている姿とか。

うつで記憶力が低下しているせいか、残る言葉は少ないけれど、出会う人の生き方とか、存在そのものに影響を受けている感覚がすごくある。




「トラウマと記憶」っていう本を少しずつ読み始めた。
日々の判断に、情動記憶や手続記憶といった、無意識下の記憶が強く影響していて、それが結構、自分の人生に影響を及ぼしてるのを感じる。

身体感覚の変化に気づくようにしたら、ある程度過去の経験から自由になれるように思っていて、この本を読んだあととか、しんどいことを考えたあとは、体をゆらゆら揺らしながら、楽しかったことを思い出して気持ちを切り替える練習をしている。




休職中の居場所


お世話になっている人の家にお邪魔して、畑仕事を少しお手伝いしたり、おじいちゃんと五目並べをしたりすることを続けている。畑では、きゅうりやまくわうり、ミニトマトやナス、ゴーヤなどを育てている。
五目並べは、実は結構奥が深くて難しい。うつ状態のときに、結構いい頭の体操になる。


畑仕事を手伝っていたら自分も家庭菜園をしたくなって、まくわうりとモロヘイヤとミニトマトとゴーヤを買った。


その方の家には、たくさんの本があって、気になった本を貸していただいている。大学時代に映画を見たころから読もうと思ったけどなんだか恐ろしくて読めてなかったアゴタ・クリストフの「悪童日記」を借りて、10年たってようやく読んでいる。トラウマに溢れた内容だ。

こないだ、その方の知り合いがやっているカフェにランチに行ったら、薪ストーブが店内にある、とてもおしゃれなお店だった。昔ながらの薄い卵のオムライスがめちゃくちゃ美味しい。大和郡山市のHAMP3rdというお店。マラソン好きの店長が、米から自分で作っているらしい。閉店後に田んぼで米作りの作業をしているというからすごい。

オムライスなどのイラストは、店長の妻さんが描いているそう。



あとは、近所に図書館があるので、よく図書館に行っている。
最近は書庫資料請求をしすぎて嫌がられてないかちょっと不安。

トップ画像は、図書館の庭の写真。


これも図書館の庭の写真。




休職中や、無職の人にもどこか日中に過ごしやすい場所があって、そこで人と交流できたら気が楽だし、話したいときに話せる人がいたらいいと思う。

あわひは、定職についていない人や、正社員以外の生き方をしている若い人が集えるような場所づくりをしている団体で、ここのpodcastが好きでよく聞いているんだけど、代表の方やpodcastに出ているゲストの人たちは直接会って話しても心地よかった。他の参加者の人からもたくさんおもしろい話を聞けた。

定職についていなかったり、休職をしていても、そういう人たちどうしで集えば案外ゆったりと過ごせるものなんだなあと思う。

人生、いろんな時期があっていい、いろんな生き方があっていいって、ただお喋りしたり、一緒にそこにいるだけで肯定し合えるような、そんな場所が増えたらいいな。




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今日は母の日でした。
物心ついた頃にはすでに母がいなかった僕は、なぜか母の日になるとkiroroの「生きてこそ」が頭に流れます。

「あれから言葉を覚えて私なりの愛も甘え方も心にしみこんだ」
って歌詞を聞いて、「母親に育てられていなくても、自分なりの人との付き合い方、支えられ方を人生で身につけて、それはたぶん、記憶力が弱っても失うことのない、潜在記憶になってるんだろうなあ」なんてことを考える、30歳、母を亡くしてから30年後の、母の日でした。


最近お母さんを亡くした人や、お母さんとの関係がしんどい人にとっては辛い日だったかもしれません。

明日は少し、心が晴れますように。


次回は、休職期間中に読んだ本について、振り返りながらまとめようと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

たまには遠くを眺めてぼーっとしようね。