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人が多いゴールデンウイークは、図書館と本屋に避難する。


レポート課題をするために午前中に奈良市の中心部の商店街にあるカフェに行った。商店街は、ものすごい人だった。世間はゴールデンウィーク、緊急事態宣言も何もない、堂々と出かけられる久しぶりのゴールデンウィークだった。

僕は人混みが苦手だ。もっと言えば人が苦手だ。人が苦手なのに福祉の仕事をしているのは、人が好きだからだ。世の中には苦手だけど好きという、ややこしい現象もある。猫アレルギーの猫好きだっているのだ。


カフェが混んできたから、家でレポートの続きをしようと思って出たあとで気になっていた本を買いに近くの書店へ寄った。人混みの商店街を少し歩いて書店へ。書店はそんなに人が多くなくて、本がたくさんあって、のびびのびとしている。あやうく入ってすぐのレジの前で深呼吸しそうになった。


本のある空間は、どうしてこうも落ち着けるんだろう。本のある空間にいる人は、そのときだけかもしれないけれど、物静かで、自分の関心のある本を探したり、読んだりしている。そういう人たちばかりだから、安心できる。


人と会わないGWだっていい。たまの休日くらい、自分の好きなように過ごせばいい。人が苦手な癖に人が好きで、よく人に会いたくなったり、誰とも会わないと寂しく感じてしまうこともある面倒な性格の自分が、そのときの自分の気分に合った、自分にとってベストな連休を過ごそうと自然と思えたのは、もしかしたら今年が初めてかもしれない。


一昨日と昨日は、ひとりで岡山へ行った。
なぜかここ数か月、いろんな友人が岡山へ行っていて、影響を受けやすい自分は無意識に気になっていたようで、行ったことのない図書館へ行くためのドライブ旅行の目的地、最初は高知にしようと思っていたのを、少し遠すぎるという理由で思い直して、岡山にした。


岡山の図書館を調べていたら、おしゃれな図書館がいくつかあることを知った。そのなかでも一番興味を惹かれたのが、新見市にある、新見市立中央図書館。ずいぶん洒落た雰囲気の図書館なのに、岡山市の中心部とかじゃなくて、岡山県の北西部、中国地方のど真ん中といってもいいくらいの山間部にあるらしい。



奈良でレンタカーを借りて岡山へ向かう。高速を使うと少し高くつくので、無料の道路を使って行ったら、休憩や途中何度か道を間違えたのも含めて全部で7時間くらいかかって、あとで調べたら電車で行った方が早かった。

だけど森を切り開いてできたような岡山の道路は緑が多くて深くて、木々に包まれている感じがしてとても心地よかった。雄大な川の奥に手つかずの林があるような素敵な景色も見れて、とても気持ちのいいドライブだった。

7時間かけて目的地の図書館に着いたときの感動はひとしおだった。一応先にホームページを調べてはいたものの、もしこれで臨時休館だったらどうしようかと思って少しドキドキしたけど、幸い開いていた。着いたのが夕方5時半、7時の閉館時間まで、1時間半だけだったけど至福の時間だった。

新見市立中央図書館は、高梁川という岡山三大河川のうちのひとつでもある一級河川の真ん前にあって、その奥には山が見える。2階の閲覧室は、壁一面が窓になっていて、川の奥に山が見える素晴らしい眺めを見ながら、本を読むことができる。しかも読書スペースがカプセルホテルのブースのようにひとりずつ区切られていて、コンセントも使えて、キャップ付きのボトルであれば飲み物を飲みながら読書もできる、最高の贅沢空間だった。

テラス席も広い。ここでも館内の本が読める。


テラス席側からの景色、2階の閲覧席からも同じ景色が見える。


人口の比較的少ない地域だからなのか、ゴールデンウイークは別の場所に出かける人が多いのか、図書館は人が少なくてのびのびできた。


「人間関係に疲れて人のいない場所に行きたい」なんていうときに、ソロキャンプもいいけれど、知らない地域の(できれば田舎の方にある)図書館に行ってみるというのも、本が好きな人にはひとつの選択肢として良いんじゃないかなと思う。



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