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短編小説集

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短編小説を載せております。〈雪と記憶〉という副題はテーマの共通性を意味しているものなので、順番通りに読まなくても問題ありません。掲載物は有料設定ですが投げ銭方式です。
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2016年12月の記事一覧

【短編小説】救われた日 ~雪と記憶~

  ※有料設定になっていますが、投げ銭方式なので全文無料で読めます。  新年早そう世のなかは白銀に染まった。窓から顔をだして見わたすと、近隣の駐車場ではあらゆる乗用車が白い帽子をかぶっており、向かいのマンションも氷柱を鼻水のように垂らしている。廊下でものめずらしそうに雪景色を見やる子どものしたでは、人がとおれる道をつくろうと不慣れな雪かきに精をだしている男衆がうかがえる。欠勤したかわりに除雪にかりだされたのだろう。日ごろよりつきあいのある顔もある。私も手伝おうとしたのだが、

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【短編小説】ヒーローはいつまでも ~雪と記憶~

  ※有料設定になっていますが、投げ銭方式なので全文無料で読めます。  柩の小窓を開けると死化粧をほどこされた従兄の顔があらわれた。枯れ葉のようにしおれた面貌にはかすかに腐敗の痕跡が認められる。彼の顔には積年の気苦労が小じわとなってあらわれていて、本来の活発な性質はすっかり損なわれていた。側に付いている従兄の母――わたしの伯母にあたる女性は堪え切れないようすで視線をそらしている。当初従兄の遺体は見ないほうがよいといわれていた。わたしを動揺させなくないし、何より息子の死体を人

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