見出し画像

思い出を反芻する

中高六年通っていた通学路を散歩した。
中学校も高校もそんなに場所が離れていないのでルートはほとんど同じだった。
わたしの通学路は坂道ばかりである。
いつもわたしはなんでこんなに必死に自転車を漕がないといけないんだと思いながら通っていた。


わたしにとっての中高六年は苦しいだけではなかったが楽しいだけでもなかった。
どちらかというと思い出したくないことが多い。戻りたくないという気持ちが強い。
今の自分と過去の自分を切り離してしまいたくなる。


いまのわたしは中学生の時のわたしより、高校生の時のわたしよりずっと自分のことを受け入れられている。自分の好きを大切にできている。
自分は何が好きかを知っている。


通学路の景色は何も変わっていなかった。
しかし、わたし自身は確かに前に進んでいる。
大丈夫な気がしてきた。
過去と向き合うことが怖いと見たくないと思っていたけど今の私ならきっと向き合えるし大丈夫なんだと思えた。


中高の思い出を必要以上に美化することもきっとしないが自分の中にその所在を認めることができたらいい。
私はこの町で生まれ育ち、この景色を見て通学路を確かに歩んでいた。
通学路への気持ちを少しだけ明るく上書き保存できた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?