見出し画像

しまなみ海道、尾道へ

猫は飼っていないのだが猫は大好きなのである。

そして絵本好きでもあるとああことからではないけれど趣味は絵本集め。あ、『猫絵本』集めなのである。

その始まりは今考えるときっと、幼少期のあの絵本との出会い、『あおい目のこねこ』。

その絵本との出会いからしばらく絵本とは遠ざかっていたのだが、衝撃的な出会いは町田尚子さんの絵本との出会いだった。

『ネコヅメのよる』表紙の猫ちゃんのいたずらな表情がなんとも言えず可愛くて、「触りたい!」と思ったことからその表情が頭から離れなくなったのである。
どういう経緯で出会ったのかは覚えてないが、きっと図書館だったのだと思う。タイトルにも惹かれた。
んっ?ネコヅメってどういうこと?
絵本を読み進めてネコヅメの正体がわかった時も絶対この絵本は私の元に置いておきたい!と即Amazonで購入したものだった。それからわずか数日で、2冊目の町田尚子さんに出会った。

『なまえのないねこ』
表紙の猫ちゃんの眼差しが「私を連れてって!」と言っているようでまた即買いし、読んでみたらこれまた私に必要な絵本やないか!ということで、そこから町田尚子さんへの愛が始まったのです。

今年になって喜多方でこの『隙あらば猫展』が開かれるのを知り、ぜひ行きたい!と思ったのだが高知からはちょっと遠い…。いやいや私の実家は東京都。行けないはずないじゃないか!と思うけれど、高知から行くと、とりあえず実家で一泊してから翌日福島へ行くということになる。コロナ禍ではちょっと難しいかな…と諦めかけていたその時!
《次回開催は尾道です》
えっ⁉︎ 尾道⁉︎

もしかしたらもしかしなくても行けるやん!

はい、高知県高知市から西へ1時間ほどが私の住む所。
高速道路使って尾道まで行くと遠回りになる。以前、今治までは何度も運転して行ったことがあるので、四国山脈超えて今治からしまなみ海道通ったらすぐ尾道やん!ということで、9月から開催されるという尾道市立美術館での『隙あらば猫展』を心待ちにしていたのである。

しかし9月の私のシフトったら連休がたったの1回だけ。
高知ー尾道間はしまなみ海道使って3時間強なのだが、日帰りで、しかも運転にあまり自信がないし、もうすぐ57歳が一人旅。さすがに次の日は休みたい!ということでようやく実現したのは諸々のものが値上がりする手前になってしまった。

その日が近づくにしたがって、また迷いが生まれる。
10月にはまた旅行が安くなるらしい…それなら自分で運転しないで公共の乗り物使って行こうかな、とかね、悩むんです。しかもこの日、瀬戸内では大雨の予報。さっきも言ったけど私は運転に自信がないアラ還。雨の中の運転はリスクが高すぎる…。

出発の直前まで迷ったけど、計画実行!

予定よりちょっと遅くなったけど、7:30に自宅を出発。
あ、ちなみに私の車は軽自動車。一応ターボ車で、先日にはオイル交換し空気圧もチェック済み。「もう少しちゃんとオイル交換せんといかんで!」と馴染みのスタンドのお兄さんに怒られた。
曇り空の高知からとりあえず寒風山目指して出発!

あまり車の走らない山道を通りながら吾北を通過。
山の中でもたくさんのスクールバスに出会い、交通安全運動期間ということもあって道端には父兄や町の人らが交通安全の旗を持って立っている。この地域の子どもたちは本当に守られているんだなぁと、ほっこりしながらさらに上へ上がっていく。
寒風山手前の道の駅で休憩しようと思っていたけれど、まだ大丈夫やな。と思ってそのまま通過。
しかし!
寒風山トンネル内が工事(?)で片側通行ということでトンネル前で停止。このトンネル、5000m強の長いトンネルなので、対向車が通過するまで10分ほど停車しなければならない。やっぱり道の駅によってたらよかった…。

ようやく走り始め寒風山トンネルを抜けたら愛媛県。ここからはずっと下りで西条市街地まではすぐだ。

西条から今治へ。何年ぶりかの今治はあまり変わってなくてとても懐かしい。よく行っていたさいさいきて屋はまだあるかな…。あったあった!よし休憩!
ここでよく友だちに会っていた。ここ数年は疎遠になってしまって、今回も連絡しようかなと思いながらしなかった。
ちょっとだけ市場へ入って眺めていたら、友だちの生産した梨が置いてあるではないですか!
まだ旅の始めというのに買ってしまい、梨との出会いが嬉しくて写メして友だちに送信!するとすぐに返事が返って来て夕方会おう!ということになった。
旅の終わりの楽しみができ、さらにテンション上がってさあ!尾道に向かうぞ!と思ったところで雨になる。
今治からしまなみ海道に入ると、雨はだんだん強くなりいつもテレビで見ていた白い橋と青い海はどこにも見えない何も見えない…。瞬く間に雨が強くなり、視界がどんどん狭くなるし横風も強くなる。無事に辿り着けるのか不安になりながら途中で一回休憩をとる。雨の中、橋の方向を眺めるけれど、橋はうっすらと現れる程度でしかも肌寒い。美味しい空気を吸いながら身体を伸ばすことはできなかったけど、売店で美味しいものはゲットした。

そしてまた車を走らせ尾道に向かう。
誰かと一緒なら楽しい会話を楽しみながら時間を感じることなく目的地まで行くのであろうけれど、私は友だちが本当に少ない。いや、友だちいたっけな?と思うほど友だちがいない。誘っても一緒に行ってくれる人はいない。
それでも1人旅というのも好きである。
あまりグルメに興味もないので、旅先で美味しいものを食べなきゃ!ということもないので、今回もただ『隙あらば猫』に会いに行くだけ。それだけで私の心はウキウキなのである。

雨空の中、うっすら見える海をチラチラ眺めながら、初めてのしまなみ海道のドライブを私なりに楽しんだ。瀬戸内の天気はほとんど曇りという話も聞いたことがある。テレビで見るような青空に出くわすのは難しいのかなと思いながら、雨の中の1人ドライブ。無事にしまなみ海道から山陽道に入り、尾道で一般道に出る。カーナビの付いていない車なので、ケータイのナビを頼りに尾道市立美術館に向かう。

心はもう美術館。

もうすぐ猫たちに会えるんだ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?