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FIBAワールドカップ2019の予測を思い立ってやってみましたよ,という記事.

日本も出場したFIBAワールドカップ,盛り上がりましたね.そうでもないですか?グランパスを見ようと加入したDAZNが大活躍でした.

この試合結果をいつもの方法(下記リンク参照)で予測してみましたよという記事です.

諸事情あって(後述.興味のある人は後半まで読み進んでください)一次ラウンド第3戦目からの50試合を予測対象としました.最新データを反映させるため,大会中何度か評価値を計算しなおしています(上記論文との相違点).

予測結果:それなりな性能が出ました.

結果です.予測性能をまとめた図を示します.

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横軸:予測勝率

縦軸(上図):実際の勝率

縦軸(数):実際の勝敗数

1試合に対して2チームそれぞれのデータを示しています.読み方ですが,たとえば下図からは予測勝率が0.8付近(0.75から0.85)の試合が最も多く,その実際の勝率(上図)は0.8だったことが示されています.上図では,(0,0)から(1,1)を結んだ線(黒点線)に実際の値(青丸実線)がぴったり乗る(つまり,予測勝率と実際の勝率が一致)と良い予測値といえます.

予測値の評価ですが,予測正解率(accuracy. 勝率が高いと予測したほうが実際に勝った)は0.760=38/50でした.対数損失(logloss)は0.758でまあまあ.較正(calibration)は1にかなり近く,各チームの実力を平均的には適切に評価できたと思います.

*calibration=(上位予測チームの予測勝率の和)/(実際に上位チームが勝った試合数).1に近いほど予測値が適切.1より大きいと上位チームを過大評価(予測勝率が大きすぎる)で,小さいのはその逆.

なぜ途中からだったの?

一次ラウンド3戦目からという中途半端な予測ですが,これにはFIBAの大会設計の変更が関係しています.

FIBAが主催する世界大会は二つ.オリンピックとワールドカップです.FIBAワールドカップは世界選手権から改組された大会です.

前回の世界選手権は2014年.オリンピック(前回は2016年)と2年おきに開催されていました.しかし,参加国の拡大や予選制度の見直しなど抜本的な改革があり,ワールドカップとして2019年に開催されることになりました.この結果,バスケットボールの世界大会は,

・オリンピック(2016)→(なし 2017)→(なし 2018)→ワールドカップ(2019)→オリンピック(2020)→・・・

という4年周期で開催されることになりました.

従って,今回のワールドカップの予測に対し,大陸間の試合で使えるのは3年前のオリンピックの結果のみ,となります(親善試合はその位置づけや,結果はどこで整理されているのかが不透明なので使いづらいんです).これはちょっと古すぎるかな・・・ということで,大陸間の最新の対戦が数戦終わった「一次ラウンド3戦目以降」という落としどころとしてみました.まぁ,予測してみた後から言うと,初戦からでもそれなりの予測精度だったのではないかとは思いますが(大陸間の序列は3年程度ではそこまで大きく崩れない).

次は東京五輪.楽しみですね!

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