雨と風の音

今日はずっと朝から雨と風が強い。

だからずっと雨と風の音を聴きながら制作をしている。

僕のアトリエは目の前が庭でその向こうが林となっている。だから風が吹くと草や花や木々が揺れる。

時々、疲れると床に寝っ転がる。そして目をつむる。そうすると小さい頃を思い出す。こうして雨や風の音を聞くのは小さい頃から好きだった。木が揺れて葉っぱがゆるれる音は波の音にも似ている。

今日は少し寒いから居間で父さんがストーブをたく音。そんなのが混じるのが好きだ。

昔は夕方になるとここに母さんが台所で包丁をトントンと何かを切る音などが混じるんだった。それもなんだかとても安心するような少し寂しいような独特の音だった。

母さんはとても明るい人だった。だから台所で料理をしながらも居間にいる父さんに時々声をかけそして笑い声をあげたりしていた。

きっと子供心にあの音は安堵や安心の音だとわかっていて、そして寂しいというのはきっとその音がいつかは聞けなくなることがわかっていたのだろう。


今、もう一度あの音を聞いたらそれだけで泣いてしまうんだろう。



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