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失敗しながら学ぶ【客室乗務員編】

客室乗務員として機内で働いていた頃。
私は「生きた英語」を学んだ。

お客様が搭乗中、客室乗務員は座席のご案内や
荷物のケアをしたりとバタバタと動いている。

ほとんどのお客様が着席し、
まもなくドアが閉まるという時
少し手が空いたので私は自分の担当するエリアを
「毛布はいらんかね〜」とういう感じで回っていた。
毛布が必要な人のアイコンタクトをキャッチするためにぐるぐると。
(日本人のお客様はアイコンタクトでアピールしがち)

すると一人の外国人男性が私に

「Do you have the time?」

と言ってきた。
咄嗟に私は
雑誌TIMEのことかと思い

「Sorry, we don't have it.」

と答える。

https://img.fujisan.co.jp/images/products/backnumbers/2136365_p.jpg
一度は目にしたことありますかね?↑

するのその男性は
「?」
の顔。

え、そんな困られても、無いものはないんすよ。
だけど、新聞ならある。
「We have a newspaper.」新聞ならありますよ〜
と答えると


「いやいや、持ってますやん」
という風に私の腕を指差してきた。

はて、持ってますやんとは?


それは私の左腕についている腕時計。

あーーーーなるほどね!
時間を聞いてるのね!!

私はてっきり
雑誌「TIME」のことかと!

っていうか今何時?ってそんな聞き方するんかいっ!しゃれてますやん!!

すみません、私の勝手な思い込みにより
外国人男性から
「TIMEってありますか?(直訳)」
なんて聞かれたら、あの雑誌のことかと!

なんでこんな思い込みが作られてしまったかというと…
遡ること、それは私が高校生の時。
将来は留学がしたい!と海外に憧れを持っていた。
そんな私に英語の先生が自分が読み終わったTIMEを
私にくれて 世界情勢を英語で勉強してみなよ
とアドバイスをくれた。

日本の新聞すらまともに読まない私が
TIMEの英文ぎっしりの記事はとても読む気にがなれず、というか難しくて読めない。
読めそうな簡単な記事をなんとなく読むくらいしかしなかった。
だけど、自分の通学カバンにTIMEがあるだけでなんだかかっこよくて、
海外と繋がれてる感じがした。まるで必ず将来留学できるお守りのようにただカバンに入れておいた。
そしてこんな海外の雑誌をいれてるなんてクラスで私だけ、なんて優越感もあったり。

どうせ捨てるんだったら全部私にちょうだい!
と私はその英語の先生に口約束をして、
TIMEを読み終わったら私のところへ、の流れを作ったのだった。

今でもTIMEを本屋で見かけると
海外を目指していたあの頃の記憶が蘇る。

だから、というわけではないが
そんな思い出が
外国人の乗客が欲しがる“TIME“=雑誌TIME
を引き起こしたわけ。

勝手にもほどがあるくらい、勝手な思い込み。
大変失礼致しました。

それに、今何時ですか?って
What time is it なう でしょうー!
と心で思いながら

「お時間のことですね!失礼致しました!」
慌てて腕時計ごとそのまま彼に見せた。

「OK! Thank you!」
とちょっとクスッとした感じを出しながら
笑顔で答えてくれた。

ほー、これが生きた英語ってやつかぁ。
これで私は2度と、このフレーズを忘れない。

この記憶とセットで新たに
時間の聞き方を覚えたのであった。



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