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ブルックリン橋でピンチ

卒業旅行に親友とNYに行った。 
学生として最後の旅になるので気合を入れて長期滞在にした。「暮らすようにステイ」をテーマに
2週間過ごすことになった。

暮らすようにと言っても限られた日数でやりたいことを毎日リストアップしてこなしていく。結構忙しい。ミュージカル、オペラ、バスケ、ジャズクラブ
あれもこれもと欲張りまくった。

今日はブルックリンに行ってみよう。
エンターテイメント系の観光が少し落ち着いたので街ぶらをしてみることにした。
せっかくだからブルックリン橋を渡って行こうと決めた。

行ってみると「ブルックリン橋」だった。
映画とかでよく見るそれだ。
おぉー、これがあのブルックリン橋か。
思ったよりも長かった。
友人とお互いに写真を撮り合いながら進んでいった。はしゃいでたなぁ。
結局渡り切るまでに20分くらいかかった。しっかり歩いた感じがあった。

ブルックリンはおしゃれなカフェや雑貨屋さんがたくさんあって気に入った。

セックス・アンド・ザ・シティでミランダがブルックリンに引っ越すシーンで彼女はブルックリンに住むことを死ぬほど嫌がっていた。あんなところ!って。
撮影された90年代のブルックリンは微妙だったのかもしれない。今より治安が悪かったらしい。でも私が行った2012年頃はすでにアーティスティックな街になっていた。
私はマンハッタンより好きになった。

さて、そろそろ帰りますか。若い私達はダイエットも兼ねて再びブルックリン橋を歩いて帰ることにした。
しかし、橋を渡る直前。
私のお腹が怪しい。ゴロゴロゴロゴロ。
これは一回トイレに行っておいたほうがいいやつかな?

私はお腹が弱い。
記憶が正しければ中学生の頃からすでにお腹が弱い体質になっていてよくトイレに籠もることがよくあった。

ゔぅぅ。痛い。
真冬のNYは本当に寒い。完全に冷えてしまった。
冷えに敏感な私のお腹は、完全に寒さでやられてしまった。

でもトイレがありそうな場所に戻るには少し時間がかかるし戻ること自体めんどくさい。橋を渡り切る20分くらいなら我慢できるかも。

考えているうちに少しお腹が落ち着いてきた。

よし、行こう。私は進むことに決めた。

だがそれが間違いだった。
お腹が痛い時の20分は本当に長い。
こんなに遠かったけ?歩いても 歩いても橋は続く。
ちょうど橋の真ん中にさしかかったところで
ゴロゴロのピークが来た。

「漏れる。」

大人になって漏れるってやばくないか。しかも橋のど真ん中で⁉
もう頭の中はトイレのことしか考えられない。
友人が横から心配そうに声をかけてくれてるが全然耳に入ってこない。ただひたすらゴールまで早歩きする私の目は多分死んでたと思う。しかし橋を渡りきったところにゴールはあるのだろうか…。

海外旅行に慣れてる方はご存知かもしれないが、外国のトイレ事情は厳しい。
セキュリティのため、普段トイレは施錠されている所が多い。店員さんに暗証番号を聞いてから入らなければならない。意地悪な店員にあたると、注文してからにしろとも言われる。日本みたいにコンビニがたくさんあってトイレが借りられる♪ってことは海外では無いのである。

あのときGOサインを出した自分を悔やんだ。
お腹がいたくなってから橋を渡るもんじゃない。
渡ったら最後だ。

なんとか橋を渡りきったあと、カフェを見つけた。
もう涙が出そうだった。
カフェの手前の信号に捕まってまた漏れそうになったが、なんとか店に入れた。

そして店員さんに「トイレ使わせて!」と。
使えますか?じゃなくてもう、使いますっ!
宣言型。
なんと奇跡的に暗証番号もいらない開けたらすぐ入れるトイレだった。やったぁーーぁぁぁ。(涙)

友人のことは放置して何十分もトイレに籠もった。

やっとお腹が落ち着きトイレから出ると
友人は紅茶を頼んで本を読んで待ってくれていた。
「大丈夫?危なかったね。」

優しい友人と旅ができてよかった。
私も漏らさないでよく頑張った。「相方、卒業旅行にて漏らす。」なんて思い出を作ったらその友人が可愛そうだ。
今では笑い話になった。笑ってもらわなきゃ困る。

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