見出し画像

月刊ココア共和国12月号2023

クリスマスも終わりましたね。
このタイミングですが、また傑作集より個人的に好きな作品を挙げさせてもらいます。

今回絞れなかったー。皆さんすごい。


赤井紫蘇さん「死んだら幽霊」
現世の否定はなく、死後の世界や幽霊に希望が見え、最終連は美しくさえある。


竹井紫乙さん「落とし物」
全体的に謎なんだけど、なんか納得する。ときどきハッとさせる言葉。


加藤万結子さん「山紫水明」
大切な記録。個人の事から社会へ。最後、短歌で〆るのも難しいけどお見事。


高山京子さん「ばか」
ひねくれたり素直だったり、「あんた」への思いが突っ走る。改めてタイトルを見てより伝わった。


三舟いとさん「From my room」
一連目、設定。状況は半ば絶望。でもわずかな希望を信じている。「書く」という手段にこめた思い。


メンデルソン三保さん「わたしの空間」
すごい。同じ規則で何行も書いていくのは退屈になりがち。この詩は一行一行想像させる現象を選んでいる。


にごびさん「楽な姿勢」
おばかな実験をしてるんで、既に面白いけれど三連目、四連目がなかったら平凡だったかも。つまり良い!


楸眞弥さん「油絵」
ゴッホのひまわりの話から始まる。芸術にはこんな風に影響受けてるのかって思った。


角朋美さん「喪失の女優」
幼い子供だって状況を考えて演技をしてしまう。愛ゆえの恩に勝てない。それがさりげなく表されてる。


和本果子さん「頭を割る」
頭を割って組み立てる。どれが本当の自分?というテーマ。個人的に一行目から頭が割れた後なのがツボ。


酉果らどんさん「こわして、なおして」
「全部、壊れてしまえ」と言ってるけど街は残る。この人にとって「好きだった人やもの」こそ全てなんだなぁ。


まつりぺきんさん「握手」
背負って来たものを分け合った瞬間が別れ。カサカサの感触が色々な解釈できそう。


山雀詩人「カバン」
思い込みって創作の源ですね。主人公は真剣。シンプルで好き。


相原大輔さん「Hide and Seek」
言葉が出たり入ったりしてる。「嘘」と「本当」が本来の意味を離れたり戻ったり、今どっちの意味?という混乱が楽しい。


遠藤健人さん「幽霊船」
小説みたいな丁寧さ。でも詩ですよねー。終わり方とかが特に。二人にとって重要でないこと並べることで大事なことへ焦点を絞ってる感じ。


道森祐輔さん「煙」
「伯父さん」という言葉が出て来ない。伯父さんは教えようとするけど、「じいちゃん」のことは自分で解釈する。という意思を感じた。いいなぁ。


あさとよしやさん「古井戸よ」
面白いです。一見じがびっしり敷き詰めてあってとっつきづらいですが、読むとずっと何かが必死。出口はそこか!


きむさん「月夜のラクダは夢を見る」
詩は謎。とはいいませんが、最初から「どういう状況?」っていう引き込まれ方をしました。違和感のないラクダとの関係。


笠原メイさん「ハミング・バード」
あー今回も。感覚的に改行されてると思うけど、気持ちいいリズム。それで中身も一行一行楽しい。


今回、出だし?一連目一行目に惹かれる作品が多かったです。
でも決してそこで終わってしまわない強さ。
私もそういう詩を書きたいです。

2023年ももうすぐ終わりますね。
新しい年は詩作でわくわくしたいなと思います。
皆様、今年もお世話になりました。


このはつづり 詩のいろいろ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?