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第三回 福井歴史探訪の旅~2018年取材の記録~

三回目となる福井訪問は2018年7月、歴史で感動!「藤野先生と魯迅」の取材です。筆者の漫画家生活でもこれほど深くひとつの地域に関わって作品を上梓した例は他に類を見ません。そこで感じたのは福井の皆さんの郷土愛と垣根を越えて人材を受け入れる懐の深さ、これにつきます。

そういえば、コミック版 日本の歴史「横井小楠」を執筆したときも藩政改革のために他藩から人材を招聘するなど、幕末からの柔軟な姿勢が今もなお県民性に反映されているのだろうかと思ったりしました。

IMGP5937生誕の地1

まず最初に訪れたのは藤野厳九郎生誕の地・あわら市下番です。郵便ポスト横の茂みに石碑が建っています。(「藤野先生と魯迅」第一章より)

IMGP5942藤野厳九郎墓所5

そのすぐそばの福円寺に藤野先生のお墓があります。(「藤野先生と魯迅」第五章より)

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円福寺の東、あわら市下番区民会館の入口に石碑がありました。館内にも貴重な資料が収められています。

IMGP5963野坂源三郎墓所1

さらに東へ進むと藤野先生の師・野坂源三郎の墓所があります。(「藤野先生と魯迅」第一章より)

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お地蔵様にセミの抜け殻がふたつ……思えばこの時も夏、真っ盛りでした。今にも蝉時雨が聞こえてきそうです。

IMGP5972小道5

そこから少し歩いた橋のたもとで厳九郎は倒れ、帰らぬ人となりました。晩年のお話です。(「藤野先生と魯迅」第五章より)

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県道101号線をさらに東へ進むと本荘駅です。太平洋戦争中の駅舎の資料がなかったので、作中では現在の駅舎をもとに描いています。(「藤野先生と魯迅」第五章より)

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三国に移動して幼少時に厳九郎が通ったという龍翔小学校跡地を見学しました。写真の奥に運動場ほどの空き地があり、そこに建っていたようです。

IMGP6202みくに龍翔館1

ちなみに「みくに龍翔館」は龍翔小学校を模した博物館で、中の展示物も大変興味深いものでした。(「藤野先生と魯迅」第一章より)

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IMGP6019自宅5

藤野厳九郎記念館(藤野邸兼診療所)です。資料館の貴重な品々もさることながら、当時のままの室内が保存されていてとても参考になりました。ここはあわら市へお越しの際はぜひとも立ち寄って欲しいところです。(「藤野先生と魯迅」第五章より)

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藤野厳九郎記念館はもうひとつあって、ここにはさらに充実した資料が展示されています。

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せっかくなので水族館で一息入れました。筆者のわがままを聞いてくださりありがとうございました。ペンギンの行進がかわいかったです。

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あわら市にほど近いということで丸岡城にも足を伸ばしました。これは歴史漫画家としてはうれしい限りで、一度は行ってみたかったお城です。

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天守閣から小学校が見えます。いい眺めです。あそこに通う小学生がうらやましい。

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日本一短い手紙でおなじみ本多重次の碑です。「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」

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人柱お静の慰霊碑もありました。これはいつか漫画にしたいな……

さて、この丸岡城にて三回目の福井取材は終了しました。最後に取材班が解散するとき、また一緒にこのメンバーで!と思ったのは筆者だけかも知れませんが、感染症の流行で取材もままならない昨今、その思いはますます募るばかりで、福井には病禍が収まった頃にぜひ足を運びたいと思っています。またいつの日かお会いしましょう。(取材協力・福井県観光営業部/あわら市/ふくい歴女の会/ポプラ社 児童書編集局)

取材にご協力いただいた関係者の方々にあらためて御礼申し上げます。

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