葦切翡翠は走っていた。 ここは葦切家のお屋敷。翡翠は植木などに隠れながら、屋敷の外へと向かっている。 「まったく、約束しなきゃよかったかな…」 小声でそうぼやくと、翡翠はため息をはく 「ねぇ、翡翠!聞いているの?」 学校の昼休み、氷魚はぼぅーとしている翡翠に不満そうに言う 「聞いているよー」 のんびりとした口調で翡翠は答える 「じゃあ、私が話していたことは何か分かる?」 「怪盗メノウ」 翡翠は即答する 「むー、今日の夜、美術館に行かない?」 氷魚の言葉