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日本語は歌から生まれた

美しい日本語を使う人でありたい。
たとえば「たそがれ」。
日が落ちた照り返しで陰影が濃くなり
時に逆光で顔かたちもよくわからず
「誰そ彼(あれはだれ?)」と問いたくなる
そんな夕暮れの時間帯を指している。
それから「あけぼの」。
夜明けといっても
しらじらと明けてゆく時間帯と
日が射して空が輝き出す時と
いろんな段階があるのを
「ほの」という音で表現している。
「ほの明るい」「ほの暗い」
あるいは「ほのぼの」と重ねる。
「次第に」や「段々と」といった言葉ともちがう
「ほの」はもっと淡くつかみどころがなく
けれどそれだけに夜の明ける様子が的確になる。
美しい日本語は
和歌や俳句から生まれたものが多い。
鳥が歌うように
言葉を歌う人でありたい。



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