手術をするって決めました。

2019年10月、激しい腹痛は何の前触れもなく訪れた。とにかくお腹が痛い。どうしようもないほど痛い。じっとしていても笑ってしまうほど痛いのだ。「この感覚、知ってるぞ」と思い、近所の婦人科のクリニックを受診すると、案の定、腫瘍マーカーCA125の数値が高いと言われる。やはりか。

私は24歳で右の卵巣嚢腫で全摘出手術を受けている。ちなみに、医師によると、片方の卵巣が嚢腫になった場合、反対側も嚢腫になる確率は30%だという。卵巣は2つあるので、1つ目を取るときは、大抵「もう1つあるから」となんとなく安心していたが、そのもう1つがピンチに陥ったとなれば、気持ちは少しざわつく。
今後の治療のことも考え、かつて知人に紹介されて少し通ったことのある総合病院の婦人科へと切り替えて服薬治療や検査を重ねた結果、卵巣のサイズが約8cmまで肥大していることから(通常は2~3cm)、手術を勧められた。
画像を見ると、確かに異常な状態なのが分かる。医師によると、今回は正常な部分を残す部分摘出で、卵巣機能は残るということだったので、もう二度とあの痛みを味わいたくない私は早々に手術を受けることを決めた。
それが2020年2月のことだ。思えばまだあの時には新型コロナウイルスがここまで拡大するとは私も医師も考えていなかった。
手術は5月に受けることに決めた。

4月、検査のため病院へ行くと、入り口では検温が行われており、中に入っても、いつもは多くの人が並んでいる待合室が閑散としている。診察室に入ると、まず医師に「当院では手術は継続して行っていますが、予定通り受けますか?」と確認された。新型コロナウイルスの感染を恐れ、手術や入院を延期する人が増えているという。ただ、私としては、コロナ禍により、仕事が格段に減った今こそ治療に専念するチャンスだと考えていたので、予定通り進めてもらうようお願いする。
診察を終え、待合室で看護師さんに入院に関する説明を受けたが、その看護師さんも「今は病棟が空いているから、手厚く診てもらえると思いますよ」と背中を押してくれた。

入院・手術はこれで3回目となる。最初は5歳の時。腹膜炎で入院し、図らずも当時のその総合病院での腹膜炎最年少記録を更新した。
2回目の入院は24歳のとき。今回同様、急激な痛みをきっかけに右の卵巣嚢腫が発覚し、摘出のため開腹手術を受けた。
そのせいか、私には良くも悪くも手術に対する抵抗感がほとんど無い。
今回も、「あぁやっぱり」という程度の感覚で手術を決めた。
慣れというのは恐ろしいものだとつくづく思う。

※注
この記事はあくまで個人的な体験に基づくもので、医療や医学に関して一切の責任を負うものではありません。




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