ぴんくの半袖のワンピース


ぴんくのカーテン
ぴんくのベッド
ぴんくの色したウサギさん

ぴんくの部屋の一角で
私はぼんやり立ち尽くしていた

私の前には鏡があった
靴下の柄も確認できる
大きくて縦に長い鏡

まるで別人のように見えた
このワンピースを着ている私
去年も一昨年も着てたのに
今年は何故だか不自然だった

ぴんくに囲まれた可愛い部屋で
1人しかいないはずなのに
誰かが「着るな」と言った気がした

去年の私
今となんにも変わっていない
顔だって 好きな色だって
それなのにもう着れない
ぴんくの半袖のワンピース


ぴんくのワンピース脱ぎ捨てて
ぴんくのベッドに突っ伏して
真っ暗な世界で考えた

去年の私と今年の私
何が私を変えたのか

ああ きっとあの時だったな
去年の私を思い返した
忘れかけてたあの日の夜を

虫が煩く鳴いてたあの夜
貴方は静かに呟いたよね
お前はまだ子どもなんだから
俺の気持ちなんてわからない

私何も言わず立ち去ったのは
ホントにまだ子どもだったから?
それとも大人になったから?

去年の私
今となんにも変わっていない
顔だって 好きな色だって

それなのにもう着れない
ぴんくの半袖のワンピース


着れなくなったのは貴方のせいなの?
それとも私が変わったの?
貴方夢に出なくなったね
その代わり何か盗んだの?

去年の私
今となんにも変わっていない
顔だって 好きな色だって

それなのにもう着れない
ぴんくの半袖のワンピース

あの日着ていたワンピース
ぴんくの半袖のワンピース


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