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【言霊ピンポン】第10週

No.62:sideM 「捨てる神あれば」

神様でさえも気ままに人を突き落としたり救ったりする。ましてや人間同士、こっちがダメでもあっちならOKなんてことはざらにあるわけで。軽やかに生きるためには視野を広く持つ、これが一番。

No.63:sideH「八百比丘尼」

人魚の肉を食べたがために、死ぬことができない体となった女性たいた。そのひとは八百年生き、亡くなったために八百比丘尼と呼ばれた…らしい。サンジェルマン伯爵はどうなったのだろうか。不死身も神ではないのだから、「おわり」はどこかに設定されているのだろう。終わり…と言えば岡野玲子の漫画『陰陽師4』にある白比丘尼という不死身の女性の「死にかた」には、何度読んでも胸を打たれます。

No.64:sideM 「ベニクラゲの憂鬱」

不老不死に最も近いと言われる生物、それがわずか1cmの小さなベニクラゲ。このクラゲはなんとピンチに陥る度に若返り、もう一度生き直すのだという。とんだびっくり生物だが、さらにびっくりなのは生き直しを繰り返せるということと、遺伝子的には人間とさほど変わらないということ。しかし何度でもやり直せる、そんなタイムリープものみたいな人生は夢があるようでなんだか疲れそうだな…なんてことも思うのだ。

No.65:sideH 「死神」

タロットカードには、骸骨が描かれた「死神」がある。このカードには、「古い自分の死」と「復活への第一歩」という意味があるらしい(もちろん解釈は諸説ある)。死とは、終わりだけでなく、再生をも意味する。これは死んだセミの体が朽ちて土に帰り、草木の養分として花咲くことであり。セミの体を食べたアリの栄養分となって生きることでもあり。 そう考えてみたら、自分も過去の誰かの生き直しなんだろうな。

No.66:sideM「セフィロトの樹」

旧約聖書の「生命の木」、エデンの園の中心にあるこの樹の実を食べれば人間は神にも等しい命を得たという。ユダヤ教のカバラ神秘主義の根幹を成す思想であり、タロットカードの元にもなった。オタクはきっとみんな大好き(偏見)。教科書としてはこの漫画がうってつけ。

タロットウォーズ 1 (ホーム社漫画文庫) 氷室 奈美

ちなみに私は高校生の時に履修済みだけどまた再読したくなってきた…キャラが立ってて面白いんだ

No.67:sideH「ウロボロス」

アダムとイブをそそのかしたのは、蛇だった。 世界樹の根っこをかじっているのも蛇だ。スサノオに首を落とされたのは八首の蛇。 なぜか「悪さをする者」の濡れ衣を被せられてしまう蛇たちだけれど、ウロボロスという己のしっぽを噛む蛇の図は「永遠性」「死と再生」という意味を持つ。悪と永遠性…蛇というなめらかに地を這い、木に登り水を泳ぎ、脱皮を繰り返して成長するその生命力の強さに、ひとは畏怖したのかもしれない。


取材、執筆のためにつかわせていただきます。