競争戦略で、六本木にホテルを建てる。

六本木にホテルを建てるなら、自分であればどうプロデュースするか。
自分が得意とする「エンタメ」「競争戦略」「マーケティング」の観点から、特に何の責任も負わず、無責任に書いてみます。
※マーケティング得意といいながら、いわゆる「マーケティング調査」はしていないので、あくまで妄想ベースです
※これをベースに、一緒にやりたい方いたらぜひご連絡ください😀

ターゲットはインバウンド富裕層

「なぜ今インバウンド富裕層向けなのか?」は、僕が書くまでもなく、いくらでも良書や調査記事があるので、割愛。そういう前提で思考してみます。


結論:東京都心で一番“ベタな日本体験”ができる場所を作る

先に結論を書くと「東京都心で一番“ベタな日本体験”ができる場所を作る」ということになります。

解くべき問題は「どうすればインバウンド富裕層に売れるサービスになるか」ですが、これはWhyとHowに分解できます。
そして、その2つはWhatと相互作用関係にあります。

Why…なぜ売れるのか?(=なぜ買ってくれるのか?)
How…どうやって売れるのか?(=どうやって買うに至るのか?)
What…何を売るのか?

これらを行ったり来たりしながら答えを探していく作業が必要になるわけですね。

1.Why…勝つためには「希少性」と「差別化」が必要

競争戦略観点で重要なのは「希少性」と「差別化」です。

たくさん並んだトマトの中から手に取ってもらうためには、「一番美味しそうな見た目をしている」とか「一番安い/高い」とか、「紫色をしている」とか、そういう理由が必要になる、ということですね。
そして、海外旅行という非日常での体験を例えるなら、「トマトを食べるチャンスはこの1回しかない」みたいな状況ということです。

ホテル事業で考えてみます。
当たり前に追求しがちな「クオリティ」や「利便性」での戦いは茨の道。
なぜなら、その指標はコモディティ化しすぎているから。

「利便性」を追求するなら、APAホテルと同じ土俵で競争する必要がある。
「クオリティ」を追求するなら、外資系大資本ホテルと同じ土俵で競争する必要がある。

特に、今回ターゲットとする富裕層は、グローバルスタンダードのluxuryなサービスの経験者。

「小さなシェラトン」を目指しても、彼らには刺さらないし、当ホテルを選択する積極的な動機付けにならない

したがって「六本木の中で“何か”でユニークな存在」になることが重要ということになります。
このユニークとは、言葉の意味通り「特異」「類を見ない」ということ。

そうすると、「何でユニークなると、インバウンド富裕層に刺さるのか?」が解くべき答えということになりますね。

2.How …「どう売るか?」からの逆算

Howからも考えてみましょうか。

How(どうやって売れるのか)、すなわち「どう集客するか」「どうやって購入に至るのか」。

外国人観光客の方の訪日前の情報収集手段はSNSが1位らしいので、その方向で考えてみます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000019931.html

(日本国内OTAや海外OTAを頼りにすると認知獲得までに時間がかかる。富裕層コミュニティにアクセスできるメディアやエージェントを活用する方法もありえますが、コスパ観点で、まずはSNSでの勝つシナリオを作ることが先決。と判断)

SMSを活用する場合、細かく検討するなら以下3観点が必要。

・自社のSNS運用
・インフルエンサーマーケティング
・お客様に投稿してもらう仕組み作り

「バズらせる為には、バズりやすいコンテンツが必要」ということは、SNS世代には当たり前のこととして理解できると思います。
「SNSで扱い易いコンテンツ」じゃない場合、バズらせるのは至難の業。もしくは完全に運ゲームということになってしまいます。

3.What…「欲しい日本」であること

SNSで扱い易いコンテンツとは、以下ということになるので、これを踏まえた「どういうホテルにするか?」の設計が必要になる。
これがWhatですね。

1.何かの1番であること
2.特徴がわかりやすいこと
3.視覚的であること

重要なのは、「他国ではなく日本を旅行先に選んだ理由」に対し、クリティカルに応えられことです。
わざわざ非日常の営みとして日本に来ているので、「わかり易い日本」「欲しい日本」を提供できるなければいけない。

(学生時代、東南アジアの国々を1人で旅していました。どこの食堂でもアメリカ産のEDMが流れていて、「ココで聞きたいのはこういう音楽じゃないんだよなぁ」と思ったのを覚えています)

「日本に旅行したい理由」の調査は多くありますが、だいたい以下の通りになります。

・日本の歴史と伝統文化を体験する(着物/浴衣・花火 etc)
・食事
・アニメ
・自然観光(富士山 etc)
・寺社仏閣巡り
・観光地巡り(白川郷 etc)

「日本 インバウンド 理由 目的」で検索して出てきたサイト5個くらいを、凡そで整理

この内、地域依存性が高いものは、東京以外で消費されるので、今回のホテル設計に取り組みとしては対象外。
ただ、他のものついては六本木でも充分提供ができそうであることに気づくと思います。

むしろ、六本木という街において「日本的なもの」を提供するサービスは実は希少で、ブランドを確立できているサービスは、まだほとんどない。
ちゃんと調べたたわけではないのですけどね。
日本は「マーケティングが苦手」や「観光ビジネスが苦手」と言われる所以だと思います。

したがって、
六本木で「日本的」なブランドを確立できれば「希少」かつ「差別化」できた状態になり、それをがSNSと相性がいいフォーマットで提供できれば、勝てそう。

Why、How、Whatの方向性が決まってきました。

4.「立ち寄り都市」としてはNo.1の強み。おそらく。

「訪れてみたい街」でいうと北海道が人気No.1ということになるそうです。
日本旅行で訪れてみたい都道府県ランキング!外国人1,006人への調査結果発表

この手のランクングは数多出典があり、それによって内容が異なるので、一概には言えない部分があると言っていいでしょう。

ただ、どのランクングにも東京はだいたい上位に入っています。
旅の最終目的地にはならないかもしれませんが、多くの訪日外国人の方は東京に訪れていることが想定されます。

羽田空港を利用する場合、旅の最初と最後の数日は東京に滞在する。とか。

東京都心は浅草寺から秋葉原まで、伝統的な日本から、現代日本カルチャーまでが渦巻く観光資源豊かな場所ですが、
京都の旅館のように、宿泊施設そのものが日本的な施設は多くありません。

どちらかというと、東京観光におけるホテルは「荷物を置いておくところ」「寝に帰るところ」という位置付けが強いのではないかと想像します。

5.具体的なサービスアイディア

これを「日本的な充実した体験を提供できるホテル」にする方向で、妄想を膨らましてみたいと思います。

いずれも個人的に「こんなのあったら楽しそうだな」を無責任に書いています。

「日本旅行でやりのこしたことを全部できる場所」になるのが成功イメージ。
もちろん、SNSとの相性も忘れずに。

【浴衣】

六本木の待ちを浴衣と下駄を履いて散策できる。
浴衣は買取もできる(客単価向上に資する)。
高級な、本物を用意する。

【花火】

屋上で手持ち花火ができる。
カメラマンがつき、写真撮影をしてくれる。
家族連れであれば、これだけで「他ホテルではなく、当ホテルを選ぶ理由」になりえる。
※花火ができる場所は意外と少なく、また夏以外は手持ち花火は意外と手に入らない
※近年、「日本でやりたいこと」に花火が急上昇しているが、これは視覚的な訴求力が強いことに影響するものと想定される
※宿泊者は浴衣や着物で写真をとれる

【盆踊り】

世界中どこでも聞くことのできるEDMなどではなく、日本古来の”ダンスミュージック”である盆踊り
「ネオ盆踊り」を行う。
※宿泊者は浴衣で参加できる

【おちょこショット】

BARでのショットグラスは、おちょこ。
買取もできる。

【東京で一番「SAKE」があるBAR】

SAKEの人気は高い。
「六本木で最もSAKEの種類が多いBAR」というだけで、集客効果が期待できる。

【東京アーティストコラボ】

「NEO TOKYO]を彷彿とさせるような、クールで精神性の高いアーティスト作品の展示、販売。
グッズ化も視野にいれられる。

例)白痴ランドさん 


【中川政七商店さんコラボ】

日本の伝統的な工芸品を、現代のマーケティング手法で再構築する中川政七商店とコラボレーション。
観光地に売っている「日本的なお土産」は、残念なことに、日本人の僕からしても素敵だなぁと思えるもの、実用的なものに出会えることは意外と少ない。
一方で、中川政七商店さんは「日本的なもの」を魅力ある商品に昇華させる力がものすごく強い。
ホテルのお土産コーナーは、中川政七商店さんにお任せするのがいいと、勝手に妄想します。

【高級ボトリングティ】 

グローバルでも人気の高い日本文化、精神、料理の象徴的なコンテンツですので、
ターゲットとするお客様とも親和性が高い。
おみやげや、食事の際の提供ドリンクとして、文字通り「一味違う」今の日本茶を提案するのもあり。

IBUKI



ということで、
競争戦略の観点から、「競争戦略で、六本木にホテルを建てるなら」を妄想してみました。

ちゃんとマーケティング調査したわけでも、
事業計画を試算してみたわけでもない、無責任な楽しい妄想です。

誰か作ってくれないかなぁ。

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