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新規事業を軌道に乗せる方法~キャズムを乗り越えよう~

こんばんは。コウイチです。
突然ですが、「最初は順調だった新規事業が、伸び悩んできた。どうしたらいいか」という悩みをお持ちでしょうか。
もしかしたら今回のテーマである「キャズム」という現象が原因かもしれません。

今回は「新規事業を軌道に乗せる方法~キャズムを乗り越えよう~」について書いていきたいと思います。

この「キャズム」とは何なのか?その説明をする前にイノベーター理論から説明したいと思います。

1,キャズム理論の前提となる「イノベーター理論」

イノベーター理論」とは、商品の浸透順に消費者層をイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの5つにわけ、それぞれの割合を示した理論となります。
これらの5つの層の割合は決まっており、正規分布を描く(釣鐘型になる)というモデルが示されています。

イノベーター理論の5つの層
GMOマーケティング ホームページ(https://gmo-research.jp/research-column/diffusion-of-innovations)より

ではこれから5つの層の特徴についてそれぞれ書きたいと思います。

イノベーター(革新層)

イノベーターは、市場で2.5%の割合を占める、新しい商品やサービスに魅力を感じる消費者層です。

アーリーアダプター(初期採用層)

アーリーアダプターは、市場で13.5%を占める、世間に普及する可能性のある商品やサービスを先取りしたい、流行に敏感な消費者層です。

アーリーマジョリティ(前期多数派)

アーリーマジョリティは、市場の34%を占め、流行に乗り遅れないように商品やサービスを利用しようとする、アーリーアダプターの影響を受けやすい消費者層です。

レイトマジョリティ(後期多数派)

レイトマジョリティは、市場の34%を占め、新商品やサービスの利用者数や評価を確認してからとりいれる消費者層です。

ラガード(遅滞層)

ラガードは、市場の16%を占める、新商品やサービスに対して最も慎重な消費者層です。

アメリカの社会学教授のロジャース氏は、この中でイノベーターとアーリー・アダプターの割合を合計した 16%のラインが商品普及のポイントである、という「普及率 16%の論理」を提唱しました。そのため、アーリー・アダプターへのマーケティングの重要性が主張されました。

2,キャズム理論

ロジャースの「普及率 16%の論理」に対して、アメリカのマーケティングコンサルタントであるムーア氏が提唱したのが「キャズム理論」です。

アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティとの間には容易に超えられない大きな溝(キャズム)があるため、アーリー・マジョリティへの普及がいかに速やかに行われるかが製品普及の分かれ道であると主張されました。

キャズムが生じる主な理由は、メインストリーム市場消費者層の「新しいものへの不安感」であるといえます。

アーリー・マジョリティは商品やサービスの目新しさだけでなく、安心感やベネフィットを求めているため、アーリー・アダプターと同じ方法では心をつかむことはできません。

3,キャズムを越えるために


ここまで書いてきました通り、キャズムを乗り越え、初期市場からメインストリーム市場まで製品を普及させていくためには、「アーリー・アダプター」だけではなく、「アーリー・マジョリティ」にもアプローチすることが大切であると考えられています。

以下はキャズムを乗り越えるための3つのポイントです。

 ①ターゲットを絞り込む

キャズムを越えるには、現状を整理したうえで、狭い市場にターゲットを絞り込むことが望ましいと考えられています。

まずは「利用者が少なく、動くお金も小さいが、明らかに課題・問題がある」といったニッチだけれどニーズはハッキリしている狭い市場をターゲットにします。そこで徐々にシェアを伸ばし、その市場のNo.1になるという手法となります。

②ユーザビリティを高める

キャズムが存在する初期市場からメインストリーム市場への転換期では、安心感が製品の価値として重視されるようになります。

消費者に安心感を与えるには、製品のユーザビリティを向上させて、「使っていてストレスがない」「簡単に使いこなせる」などの体験をしてもらうことが大切です。

③口コミを広める

キャズムを越えるうえで、アーリーマジョリティへのアプローチは必要不可欠です。メインストリーム市場の消費者は保守的で、「他に使用している人はいるのか」「製品を採用するメリットはあるのか」などを疑う傾向があり、新たな製品の採用に慎重な姿勢を取っています。

そこで、キャズムを越えるためには、「口コミが少ない状況においてアーリーマジョリティに製品を使用してもらい、そこで得た口コミを他のアーリーマジョリティに広める」という手段が効果的です。

新規事業を立ち上げる際には、このキャズム理論を意識して「アーリー・アダプター」だけでなく、「アーリーマジョリティ」の心をつかむ、マーケティング施策を実行してみるとよいでしょう。

参照:
東大IPC ホームページ(https://www.utokyo-ipc.co.jp/column/chasm-theory/
GMOマーケティング ホームページ(https://gmo-research.jp/research-column/diffusion-of-innovations

まとめ

今回は「新規事業を軌道に乗せる方法~キャズムを乗り越えよう~」
について書いてきました。

〈ポイント〉
イノベーター理論とは、商品の浸透順に消費者層をイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの5つにわけ、それぞれの割合を示した理論
キャズムが生じる主な理由は、メインストリーム市場消費者層の「新しいものへの不安感」
初期市場からメインストリーム市場まで製品を普及させていくためには、「アーリー・アダプター」だけではなく、「アーリー・マジョリティ」にもアプローチすることが大切

お読みいただき、ありがとうございました。


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