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『季節労働⁉老舗百貨店で学生服販売①』

   バブル時代真っ盛りの80年代後半、大学1年の後期試験も終わる頃、前回記したように、実家を離れひとり暮らしを始める。その引越のタイミングで、当時やっていた活動の先輩よりバイトの紹介をいただく。
   ちなみにその活動とは『スポーツ大東』編集委員会(通称  スポ編)といって、通っていた大東文化大学の体育会直属の委員会で、学内の体育会系部活動の活動報告をする広報紙を作っていた。年間に、学内のスポーツ新聞を3回、雑誌を1回発行していた。元々は新聞記者やルポライター志望していたので、その勉強するために入った委員会だった。高校時代にラグビーやっていたのもあってラグビー部担当させてもらって、大学日本一の取材をしたり、同時期に陸上部が箱根駅伝で総合優勝したりと、学内体育会の活躍が目覚ましかったので、良い取材を通して良い経験をさせてもらえ、のちにとある新聞社に就職できることにも繋がった。そのあたりの話は、また別の機会に話させてもらえたらと思います。バイト話に戻しますね。
    その委員会の先輩に紹介していただいたのが、三越池袋店の学生服売り場でのバイト。スポ編の中で代々受け継がれているようだ。2月3月を中心に夏服の販売までの6月中旬頃までの期間で働かせてもらってました。初めの年は3月からスタート。すでにスポ編同期の何人かは2月から始めていたので、少し遅れて入りました。
    普段は他の紳士服やら婦人服やらの奥のさらに隅の方に、カウンターだけで、お直しや破れてしまったから新しいのを購入とかの、こじんまりした対応をしている学生服売り場が、この時期になると催事場などにドーンと広いスペースを陣取って、近隣の公立校の他、都内近郊も含め有名私立高などの制服を着たマネキンを何十体も並べて、購入の対応をしてました。
老舗の三越なので、購入に来る客層も高所得な雰囲気の方が多く、こちらとしても三越の看板を背負って対応しなければならないので、接客にかなり気を使わなければならなかったのことも覚えています。
 
 基本的な仕事内容は以下の感じで、
売り場では
・ご来店のお客様への接客
・購入決定~採寸
・購入の伝票作成〜会計
・仕上がり商品の受け渡し
バックヤードでは
・伝票確認〜縫製工場への段取り
・縫製工場からの納品の検品
その他
・お客様からの電話(クレームなど)対応
・クレーム処理
 他付随する業務全般の仕事。学生服販売は、この季節以外は専属の社員さんが3人しかいなかった様なので、この時期のみ他売り場などからの増援がありました。その他普段は別の売り場にいるが、この時期になると招集されるベテランの販売担当の方もいらっしゃいました。なので、単年での方もいましたが、半数以上が、次の年もその次の年も見知った顔のメンツ、という流れができてました。
 上記のように仕事内容が多岐にわたり、採用に至っては三越直接のアルバイトの雇用だと社内ルール上、関われる業務内容や就業時間に規制がかかってしまったりとのことで、ちょっとしたカラクリがほどこされました。
 当時の三越には、販売しているスーツなどの縫製製品を作っている子会社や、提携工場があった。『三越縫製』や『明和』(前株後株、正式名称忘れてます)がそれ。そしてその子会社と契約社員としての雇用契約を結び、そこからの派遣社員として三越池袋店にて働くという〝カタチ〟となった。なので、店内で付けている名札バッチは、ほぼ社員のものと同じデザインのもので、他三越池袋店での採用のアルバイトの付けていた名札バッチとは違っていました。そんなわけで正確に言うとアルバイトではないのだが・・・まぁその辺は、よしなに。
 今では冠婚葬祭以外では着なくなったスーツも当時は数着持っていました。DCブランド全盛期、当時のバブル期大学生そんな感じだったんじゃないかな。しっかりネクタイ締めちゃったりしてね、冬でも基本はジーパンにアロハ着用の今の俺からは想像つかないような恰好をして売り場に立っておりました。初めのころは基本的に売り場に立って接客のレクチャーを先輩から受けたり、先輩の接客を見ながら仕事の流れを覚える。できそうだなとなったところで、先輩が横に付きながら、お客様の接客をさせてもらえることに。
 どちらの学校の制服をお求めか?から始まり、採寸をして上着は、いわゆる吊るしの
・通常のA体
・幅太目のB体
・全体的に大き目なAB体など、その形の中で5号とか7号など既定のサイズに当てはまるならばそれでOK。そこに当てはまらないなら、サイズの近いものをできる範囲、ウエストやヒップを少し広げるなどのカスタマイズで調整できるならば、それでOK。それでも当てはめられない体系の場合は、フルオーダーでというカタチとなる。
 中には、流石の三越のお客様で、端からフルオーダーでご希望されるかたもいらっしゃいました。そういった場合、流石に採寸ができなかったということもあったが、そういったお客様はいろんな意味で“難しい”ので対応は社員さんや、ベテランの先輩に振ってました。それでも3年目の頃は任せてもらえることもありました。
 この頃はいろんなものに興味津々で、覚えられること身に付けられることは、何でも吸収できましたね。脳みそも体も柔軟でした。指示される仕事は率先してやり、ゆっくりやっていたら捌ききれない接客など、どうやったら効率よくできるか?そのうえ丁寧な接客に手を抜かないように。さらに一つの指示に付随する流れの仕事も考えこなす。それを常に考えてやっていました。
 そうやって自分なりにも頑張っていることも、社員さんや先輩がみていてくれたようで、その後もいろいろと仕事任せてもらえるようになっていきました。
 上手く乗せとけば、それなりの仕事こなしてくれる。なんて思われてたのかもしれませんが。

では今回はここまで
『季節労働⁉老舗百貨店で学生服販売②』に続きます。

※ここにきて、他の締め切りや、別仕事の内容変化で時間が作りにくくなってきました。週1更新なんとか頑張って続けたいとは思ってますが、遅れた場合も、なにとぞよしなに。




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