2022年下半期に読んで心に残った書籍5選
2022年も間もなく終わろうとしています。昨年に比べると本を読む量が減ってきました。今では週に1〜2冊程度です。それでも半年の間に多くの素晴らしい本に出会うことができました。上半期に引き続き、読んだ本の中で良かった書籍を紹介します。
1. 経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術
「人を選ぶ」ことについてシステマチックに解説された本です。
これは、コンピテンシーモデルよりも下の階層にある、ポテンシャルモデルについての話です。表面化しづらいので発見しづらく、後天的に変化もしづらい人の特性ですが、自分の経験してきたことと当てはめてみると、的を得た説明が書かれていると思いました。
「人の見抜き」についてここまで言語化された本は多くないのではないかと思います。
2. 哲学は資本主義を変えられるか ヘーゲル哲学再考
長い歴史で見れば、哲学者たちが政治と経済に影響を与えてきたことがよくわかる本です。今まで見えていなかった視点が手に入る、貴重な本でした。
その時々の時代背景の中で、次の社会を構想し、設計をする役割を哲学者は担ってきました。思想があり、次の政治と経済がつくられてきたことが、歴史を俯瞰的に眺めてみると気がつくことができます。そして、それは、今に至るまで続いています。
3. なぜ、あなたがリーダーなのか――本物は「自分らしさ」を武器にする
数多くあるリーダーシップ関連本を読んできましたが、読みやすく、良い本だったと思います。
近年よく語られる「自分らしさ」が必要条件の1つと本書でも書かれていますが、それは「周囲に対して意味のあるもの」でなくてはならないという主張があり、その通りだと思いました。
4. 会社はこれからどうなるのか
本書によると、日本の大企業は「会社共同体」的な会社であると書かれています。日本企業(大企業)の特徴は以下と書かれています。
一方で、1970年代に主張されたエージェンシー理論では、取締役・経営陣は株主の代理人(エージェント)であるという立場をとります。経営目標は、あくまでも株主利益の最大化です。特に20世紀のアメリカ型の企業をイメージさせますが、現在でも、この考えを支持している人も多いように思います。
そして、現在では、ポスト資本主義とも言われる、20世紀とは異なる世界になってきています。優れた個人の力がものをいう時代であると同時に、優れた組織の力がものを言う時代です。この時代の変化の中で、会社はこれからどうなるのか、を考えさせられる本でした。
5. むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ
子どもの関係性は「いる(being)」「なる(becoming)」「する(doing)」という順番になるが、大人になると「する」「(同僚に)なる」「(ごくまれに公私を超えて)いる」という順番になるという話が興味深いと思いました。
技能や能力、経済性などの「する」が上手ではなくても許されるという寛容さがある、その人自身がそのまま受け入れられる「いる」から始まった関係性やチームの中にいることが、ウェルビーイングに大きな影響を与えるのだと思います。企業として、どのような組織をつくっていくのがよいのかを考えさせられる本でした。
2023年も素敵な本と出会えますように!
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