『プリキュアオールスターズF』最高の「子ども信じ映画」、バラバラの世界をプリキュアが繋ぐ【勝手に寄稿】

三連休の真ん中もっこり日曜日。友人とプリキュア映画を見に行きました。

ワシが信頼している2人から見たほうが良いと言われたため、シリーズ通して一作も見たことがない状態だが見に行った。

こんなワシが偉そうに(勝手に)寄稿していて、「なんだよ、見たことない人の感想なんて読みたかないよ」と思った人は今作を見ていないんじゃねえか? という映画だった。どんなやつでも友達であり、仲間で、大切な繋がりなのだ。

最初のアクションシーンからあまりのカッコよさに泣いちゃった。アニメの作画クオリティや、演出のレベルがぐんぐんと上がっていく中で、逆にどれもピンとこなくなってしまっていた(ゲームの映像が現実に近くなりすぎて、逆に面白みがなくなるのと似ている)。

対象年齢であろう子どもたちにとって、素直にカッコいいなと思えるような真っ直ぐな映像が、こちらにも深く刺さった。変に大人に向けてかっこいい映像を作ろうという意図は個人的に全く感じない。

ストーリーやセリフも同じことが言える。あくまで、子どもたちに元気や勇気を与えようとしている。ワシはこの映画を「子ども信じ」映画だと思う。真摯に向き合って、そして子どもたちを信頼して、ひとつひとつを作っていると感じた。

印象的なセリフとして「バラバラになった世界をプリキュアたちで繋ぐ」というものがあった。劇中では文字通りプリキュアたちが世界を繋ぎつくったがが、その世界をつなぐプリキュアという作品自体がどういうものなのか。

たった70分しか視聴していないワシでもやんわりと理解できた。プリキュアを通して、スマイル、ハッピー・ハピネス、ハート、デリシャス、そして愛など人間が持っている素晴らしいポジティブな気持ちを今一度思い起こすことができるのだと思う。

プリキュアというものに、その全ての気持ちが凝縮されていて、その気持こそがバラバラになりつつあるこの現実世界を繋いでいくのかもしれない。本作は、これからもプリキュアを通して世界を少しでも良くするぞ、という決意表明にも思える。

見てくれるファンを限界まで信頼して、一緒にプリキュアな繋がりを作っていこうと呼びかけているのではないか。これまで作品に関わってきた大人たちの温かい気持ちがダイレクトに伝わって、一体誰が何と戦っているのか全く分からなかったけど、号泣してしまった。

物語のラストに、世界をバラバラにしてしまった孤独なキャラクターを温かく仲間に加えるプリキュアたち。どんなことがあっても、誰かを信じて、幸せな気持ちを共有して、繋がっていこうとする。

ワシは「風邪の時に看病したい・してくれる関係」を作ることが幸せなんじゃないかなと思う。誰かと心地いい関係性であるということは何物にも代えがたい幸福感を得られるからだ。本作を観ると、誰かと信頼できる良い関係を築きたい、そういう関係を大事にしたいという欲求が掻き立てられる。

ワシは作品世界にとどまらず、今生きているこの瞬間をより楽しく、普通で、素敵にしたいと思えるような作品が好きだ。ごく個人的な考え方だから聞き流して欲しいんだけど、人生をフィクションで彩るんじゃなくて、フィクションから力を貰って自分の力で人生を彩って欲しい。これは強い人間しかできないかもしれないし、運も必要、気力もお金も必要でめちゃくちゃハードルが高いんだよ。それでもなお強くそう思う。

フィクションに触れたり、好きなアイドルや俳優さん、ゲームをプレイして日々を楽しく生きるのも大変素晴らしいことであり、ワシもそんな毎日を過ごしているが、ひとりではできないこと、感じることができないものもある。

これからも、そうやって自分を元気付けてくれる作品に出会いたい。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?