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グリーンカレー(แกงเขียวหวานゲーン・キアオ・ワーン)☆タイカレー3☆

身近なタイ料理としてタイカレーについて解説します。
「タイカレー」とは、外国人が使っている料理名で、タイ人は、スープも含め汁物全般をゲーン(แกง)と呼んでいます。では、タイカレーとは何かというと、辛くて少しとろみがあってご飯にかけて食べられるゲーンのことを外国人が称したものということになるでしょうか。ここでもあえて「タイカレー」という言葉を使いながら話を進めていきます。

前回、紹介したレッドカレーは、それまでのタイの汁物に利用されることのなかったココナッツミルクを使った画期的な料理でした。その後に緑の唐辛子を利用したグリーンカレーが誕生しました。外国人がタイカレーとして思い浮かべるのは、「グリーンカレー」、タイ語で「ゲーン・キアオ・ワーン(แกงเขียวหวาน)」と呼ばれるカレーではないでしょうか。それだけタイらしいカレーと言えるでしょう。私も今でこそ何とも思いませんが、初めて食べた30年くらい前には、緑のカレーというのがかなり衝撃でした。なんだかタイって面白いと思ったものです。
 
ゲーン・キアオ・ワーンの「キアオ」は「緑」、「ワーン」は「甘い」という意味です。タイのトウガラシを代表するプリッキーヌーと呼ばれる小さいトウガラシは、緑の方が赤より辛く刺激的です。他の品種にしても赤より緑の方が辛いはずです。なのになぜ「緑の甘いカレー」という名前がつけられたのでしょう? これ、タイ人でも知らない人が多いです。グーグルで検索しても「緑の甘いカレー」という説明ばかりなんですよね。私も辛いレッドカレーの後に登場したからかなぁなんて説明してきましたが、いやぁ、取り消したい! 昔の自分を殴りたい! 
  
どうやら「ワーン」というのは、色のことを言っているようです。ワーンには、「甘い」だけでなく、「色が薄い」という意味もあるそうです。つまり薄い緑色のカレーということです。ああ、なんだか妙に納得してしまいますね。これ、本当に今まで多くの人が勘違いしていますので、ぜひぜひ周りの人にも教えてあげてください! 

さて、そのグリーンカレーですが、ベースとなるペーストに使われているのは、基本、レッドカレーと同じで、レモングラス、カー(南姜)、コブミカン、ニンニク、赤タマネギなどです。トウガラシの色が違うだけで全く違う料理になるものなのですね。

グリーンカレーと材料

私の料理教室でグリーンカレーも教えているのですが、クロックという石臼でコンコン叩いて作ってもらいます。これがなかなか大変で、若い生徒さんなんかは「もういいですか~?」と何度も聞いてきます。その度にチェックして「まだまだ」と答え、「は~い…」を繰り返します。あまりに大変なので、ブレンダーやハンドミキサーなど機械でやっちゃえば早いんじゃないかと試したことがあるのですが、見た目はきれいなんですけど、食べるとなんか筋っぽいのが口に残って美味しくないんです。手でコツコツ叩いた方が、見た目には少し粗くてトウガラシが残っているように思うのですが、食べた時には気にならない。そして何より風味が全然違うんです! 「苦労しただけあった~!」「今まで食べた中で一番美味しい!」と誰もが感動するカレーができあがります。

クロックと格闘中

この基本となるペーストが当然グリーンカレーの味を決めるわけですが、人によっては「〇〇市場の入口付近で売っているのがうまい」「うちはいつも△△市場のおばさん」と好みに違いがあり、かなりこだわりを持っている人もおります。私もこだわりペーストを探そうと思っていたところ、手作りするというのを覚えてしまったので、最近は、ペーストを買うことがありません。でもそのうち、他のプロが作った手作りペーストを試してみたいと思っています。
 
グリーンカレーの味の決め手は、ベースとなるペーストももちろんですが、ココナッツミルクの量や砂糖の加減も大きいです。せっかく美味しそうなカレーなのに甘くてガーン・・・と言うことが何度もありました。ココナッツミルクのこってり具合も好みが分かれますね。サラサラが好きなのと濃厚タイプが好きな方、あなたはどちらでしょう? 
 
手作りしましょうなんてすすめするのは無茶だとは思いますが、私の料理教室で挑戦していただくことはできます。せっかくタイにいるなら、一度は、やってみたいと思いませんか? どうぞ興味のある方は、お問い合わせください。タイカレーのクラスは、男性に人気です。

ヤマモリのグリーンカレー

ちなみに日本でもタイでも手軽にグリーンカレーが食べたかったら、ヤマモリのレトルトがイチオシです。私は、ヤマモリの広告の担当をしていますが、だからおススメするわけではなく、いろいろ食べてみて、やっぱり美味しいと思うからおススメします。他のカレーに比べたらちょっとお高いと感じる方もいると思いますが、あの石臼でコンコンして作ることを思うと、決して高いとは思えません。

健幸料理倶楽部 SALADee COOKing
講師:健幸料理研究家 青澤 直子 (野菜ソムリエプロ)
場所:SALADee (Silom Plaza 1階)
連絡先: saladee.aosawa(at)gmail.com (at)=@
TEL/SMS:081-836-6350

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