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漫画万歳!(27) ~亜人~

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。取り上げているのは原則として完結した漫画です。気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT
(2021年6月号)

長年楽しみに読んでいる漫画の最終回は、楽しみなようで寂しくもあり、完結したことにホッとしつつも、満足のいく結末なのかとドキドキします。アニメ化もされ、佐藤健主演で映画にもなった「亜人」は、2012年7月から2021年2月まで「good!アフタヌーン」で連載されました。全17巻の第1巻だけ原作者がいましたが途中離脱、漫画家の桜井画門がそのままストーリーも担当したので、迷走しないか、本当に完結するのか心配な作品でした。

設定が不思議過ぎて理解するのにちょっと時間がかかりました。「ARMS」や「寄生獣」、「東京喰種」を思い出すようなありえない設定、異常な性質を持って孤独で弱いけど賢く強い主人公というのが共通しているでしょうか。

特異体質を持った新生物「亜人」は、絶対に死ぬことがなく、どれだけ痛みがあって苦しんで傷ついたとしても、絶命と共に再生します。死なないことをのぞけば、普通の人間と変わらず、自分でも亜人であることを知らない場合もあります。

主人公の永井圭は、病気の妹を救うために医師を目指しますが、ある日、事故で死亡し生き返ります。亜人であることがわかると、警察や国家に追われる身となります。厚労省は、非人道的な方法で亜人の研究をしていて、永井もとらえられ、虐待され何度も殺されて生き返るという地獄を見ることになります。

そこに亜人の佐藤が登場し救いますが、これがとんでもない男だったのでした。後半は、人類滅亡を狙うテロリストとなった佐藤との戦いになります。人間は亜人とどう向き合って、共存または戦っていくのか。死なないもの同士でどう戦って決着をつけるのか、佐藤の強さと非情さが尋常ではなく、緊迫する場面が続き、ぐいぐいと読まされます。個人的には納得のいく終わり方でした。


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