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にっぽんの知恵「出汁(だし)②食物の味は『栄養の存在』を伝える情報」

        図像:「駅そば」と「マクドナルド」(Wikipediaより)

 「日本人の、かつおや昆布などの『だし』への執着はすごいと思います。昔、ニューヨークからの帰りに立ち寄ったアンカレジの空港に、ぷぅーんと、うどんのだしの、いい匂いが漂ってきた。どうにもたまらず、匂いのする方向に歩いていくと、たくさんの日本人が群れている。あの郷愁にも似た感じ……だしは『麻薬』だと思わされました」

 そう話しながら伏木さんは、満足のいくおいしさを生む三要素を教えてくれた。それは「良い香りのだし」「脂肪」「甘み」だといいます。
 この事実は、膨大な動物実験の結果もたらされたものでもあるのです。

 「というのも、動物たちの快感を呼ぶ味、やみつきになる昧には、たいがい三要素のどれかが入っているんです」

 なるほど、たしかに、駅前のそば屋さんの前には、しばしば、おじさんたちが群がっています。
 店から漂い流れてくる、かつおだしの香りをかぐと、のれんをくぐりたくなるのでしょう。

 中学生や高校生など、若い人たちの好きなものにはハンバーガーやフライドチキン、フうイドポテトなど、脂肪の多いものが目立ちます。それに、コーラやジュースなど、甘い飲み物を一緒に注文することが多いのではないでしょうか。

 味は、その食品に含まれている栄養素を、脳に知らせる情報にほかならないと言えます。生命維持に必要なものには、脳が「おいしい」という判断を下すのです。

 だしのうまみ成分であるグルタミン酸は、そこにたんぱく質があることを教えてくれます。脂肪や甘みは、それがエネルギー源になるという情報を、脳に伝えてくれるというわけです。

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