散歩のひと 啓蟄(けいちつ)野川の春
啓蟄(けいちつ)
生命が蠢く季節となった。
つくしんぼう
日当たりのいい土手に地味に出てくる。これが直ぐに見える人は、相当自然観察をしている人だ。普通はなかなか気づかない。
私が思うのは、バーチャルの情報量と比較して自然の中で人間が処理する情報量は桁違いに多い、またパターン化されてない。だから実践で五感を鍛えないと、つくしんぼは見つからない。
子供でも外遊びをしないとその能力は育たない。野外学習などで虫をドンドン発見する子は鍛えている子だ。
「つかまえられない!」と癇癪を起こす子、全く興味なしの子。色々いる。
これは、自分の子供達を見る限り親の教育だと思う。
タンポポ
野川公園はカントウタンポポが沢山咲く都内では稀な場所だ。
早咲きのタンポポを見つける。この時期咲くのはほぼセイヨウタンポポだ。しかし、よく見ると花の下の緑色の部分(外総苞片)が反り返ってない。これはカントウタンポポの特徴だ。
「ハイブリッドか?」
しかしここで疑問が・・
セイヨウタンポポは3倍体種(3セットの染色体をもつ、つまり受粉しないで種子をばらまく)クローン種だから繁殖速度が速い、これで日本の在来種を蹴散らしている。
一方カントウタンポポは2倍体種(受粉で種子をつくる)
だから交わることはないはず。
でも雑種が出来ている。どうみてもこれは雑種だなぁ、断定は出来ないけど
「タンポポも大変ですよ」
ヤモリ
春は近いが、まだ寒い、寒いとオシッコが近い。
野川公園のトイレに入って、さっぱりして出てきたら、壁にヤモリが張り付いていた。
気温が12度で日陰、これでは爬虫類は動けない。鳥の餌食になるだろう。
ヤモリは体をくねって動く、手足にある毛で壁にひっつく。その途中で固まっている。
可愛い。
指先でつつくと鳴いた。
「やめろー!」
木々のサステナブル
「PERFECT DAYS」で主人公の平山が、木々の苗を持ち帰っていたが、ここ野川公園では木々のサステナブルが起こっている。これが観察出来る。
これも自然観察としてはスキルが高い。なかなか気づかない。完全空調された事務所でのSGDsの座学だけではこのスキルは身につかない。
以上、前頭葉が萎縮気味のジジイの説教で終えたい。
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