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地方自治体が行う『捜索』に関してのおさらいとそのポイントについてお話します。

地方自治体の債権管理について,『明日からできる債権回収』をテーマに,過去の研修原稿をもとにして記事を書いています。
※ヘッダー画像は記事内容とは関係ありません。みんなのフォトギャラリーからお気に入りのものを使わせていただいてます。

どうもこんにちは,まっつんです。


今回は,前回お話ししました『捜索』に関するポイントとなる分のお話をしたいと思います。
前回とダブる箇所もあると思いますが,どうぞよろしくお付き合いください。

『国税徴収法第141条』に規定されている『捜索』については,かなり強力な権限であるということは既にお話ししたとおりですが,そのおさらいの意味も兼ねて,重要ポイントを説明していきたいと思います。


『捜索』は,『財産調査の一環』として行うものであり,その対象となる場所は,『自宅』だけではなく,事務所や倉庫などの滞納者が使用(利用)している場所もその対象となります。

そして,その調査の結果,差押可能な財産が発見されたときは,その場で差押えを行います。
具体的には,差押えた多財産が何なのかを明確にするために,『差押調書』を作成します。
差押えた財産は,滞納者の自宅などから搬出し,売却するまでの間は庁舎内の倉庫などで保管することとなります。

なお,差押え財産が大きかったり,重たかったりして,搬出が困難な場合は自宅内に保管をさせることもできます。
自動車などの生活上必要と認めたものは,その使用許可を出すこともできます。

滞納税等を完納した場合は,差押えを解除して,保管している財産は返還することとなりますが,なかなか一括で完納という事例に出会うことはありません。

そのため,最終的には『公売』という方法でその財産を売却し,売却代金を滞納税等に充てることとなります。
『公売』については,官公庁オークションと呼ばれるインターネット公売などが知られています。

また,『捜索』に入って差押えする財産がなかった場合などに,

「捜索に入ったけど,差押えする財産が見つからなかった,今回は失敗だ」

なんていう人がいますが,これは大きな勘違いです。

しつこいようですが,『捜索』の目的は差押えをすることではありません。
その目的は何だったか覚えていますか?

『捜索』は『財産調査の一環』

でしたよね。

『捜索』を行うためには,準備や人手などの時間と労力が結構かかるため,「差押えする財産がなければやっても意味がない」と思われがちですが,『捜索』の目的さえしっかり認識していれば,まずは現地に行って滞納者の現状を調べることが肝心であるということが理解できるはずです。

そのため,基本的には,『捜索』を行うことができれば,それは全て成功であると認識してください。
失敗するパターンとしては,準備不足のために『捜索』開始ができなかった場合などがありますが,こういう失敗はしないようにしっかり準備を整えてくださいね。


それでは,今日はここまでにしたいと思います。
次回の記事も楽しみにしていてください。


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[引用研修]
令和元年11月29日 須崎県税事務所管内地方税研究会 徴収事務研修会
『徴収事務について』~徴収率UPのための滞納整理の実務~

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