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「人、イヌと暮らす 進化、愛情、社会」長谷川眞理子 著を読んで

 2021 年に発行されたこの本は、「自然人類学と心理学の研究者」である夫妻がひょんなご縁でスタンダードプードル♂のキクマルを飼うことによって、考えたこと、経験したことに加えて、研究者としての考察や、論文などを、噛み砕いて書いてある。

 犬を飼っている者としては、ただうちのこが可愛いという点だけでも共感するところを、更に裏打ちする犬や人など生物の進化や違いにまで考察が及んでいるところが興味深く、あっという間に読み終えてしまった。

 間にコロナを挟んでていて、今までに読んだ他の小説などにもあったけれど、後の時代にこんな事があって、それにより通勤することなく働くという方法が普及したなんて言われたりもするのかなと、ふと思ったり。

この著者は、チンパンジーなどを研究していたのだが、犬を飼い始めたら、チンパンジーよりも犬のほうが人間と共感出来る力があって、他種であるにも関わらず、という点で、人と犬との長い共存の歴史に言及したりする。

 現実には、キクマルのあとに、更に二頭を飼い、今もその二頭と一緒に暮らしている。

 犬たちの様子や、犬を介しての友達のことも、2008年から犬を飼っているので、共感することが多かった。

 最後に著者の夫の書いた文章と、著者のエピローグがあって終わるのだが、研究者である二人がよきパートナーとして長年共に暮らし、飼い犬に愛情を注いでいることがよく分かった。

 犬は色んな毛色があるが、白い毛の犬は性格が穏やかなものが多いとあった。確かにうちの15才の黒柴は、キツイ所があると納得。

 でも犬を飼ったから色んな世界が広がったり、楽しい事もたくさん経験出来ている。犬には本当に感謝しかないなぁと、しみじみ感じた。