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#Web小説の感想とご紹介『第9回、瀬戸晴海さまの「夜警と夜の国」を読んで』

ビフです。
今回、ご紹介させていただくのは、瀬戸晴海さまの児童文学風のファンタジー小説「夜景と夜の国」です。

このお話は、「まじない師見習いと夜の国」に続く、夜の国シリーズという、ファンタジーの世界観に納まっています。


物語は、港湾都市のティルハーヴェンに、たどり着いた主人公のクラウスくんが、酔っ払いに絡まれるところから始まりました。


そこを、夜警という街の治安を守る組織に属するリーダー、ローレン団長に助けられて、クラウスくんは夜警に入ります。


主人公のクラウスくんは当初、記憶が定かでない謎の存在として描かれていましたが、回を重ねるごとにとても純粋な少年らしい一面が垣間見れ、夜警という組織の仲間たち、、、


ローレン団長、アイヴィン先輩、フルダちゃんと暖かい仲間意識が芽生えていく様子などが、とても丁寧に美しく描かれてありました。


お話の肝となるのは、ティルハーヴェンの秘密とされる夜の国。
タブーとされる世界は、一歩踏みこめば、星空のように幻想的な、小人と妖精、巨人たちが住むおとぎ話の世界。


その秘密を知っているのは、まじない師のゲルダさんや、ごく一部の古いことわりを知っている人たちだけです。


そして、ある日起きた、ティルハーヴェンに起こった火事騒ぎ。
主人公たちクラウスくんとフルダちゃん、アイヴィン先輩は、犯人を捜しながら、小人と妖精たちが住む夜の国へと向かいます。


感想についてですが、、、
子供でも安心して読めるような内容となっており、小学校高学年ぐらいのお子様にもオススメできます。


クラウスくんとフルダちゃんのほほえましい恋愛模様は、本編が終わったあとも、番外編で描かれていますが、プラトニックに描かれてありました。

カンテラを提げた仕込み杖で、夜の街を見回る夜警。
罪人を取り締まる彼らが、捕らえた罪人を収容、監視する警吏たち。


港湾都市ティルハーヴェンを守る彼らは、共通の目的を持ちながらも、軋轢がありました。


そういった問題も、夜の国の事件解決とともに、アイヴィン先輩やクラウスくんたちの奮闘で大団円を迎えます。


きれいにハッピーエンドを迎えるお話で、読了感も爽やかなのが嬉しかったです。


プロローグには、美麗な水彩画風のタッチで描かれたクラウスくん、アイヴィン先輩、フルダちゃんの絵が。

彼らが、港湾都市のティルハーヴェンを守るために、団結して犯罪や事件に挑むのが、本作のメインストーリーとなっています。

夜警を、待ち受ける事件の背後には、決して交わってはいけないとされる不思議な夜の国が関わっていました。

6章と3つの番外編からなる本作は、短いながらも、おとぎ話風のファンタジー世界が濃密に描かれ、そこにミステリーの謎解きの要素も加わって、楽しく読み進めていけました。

大長編は苦手、というかたでも、腕ならしとして気軽に読んで、楽しみを覚えていただける作品です。





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