他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#79

「東京暮らしの逆襲」まついなつき(角川文庫)

 1990年代に「主に漫画家などが絵だけではなく文章も自分で手掛けてみた」ジャンルが登場し、確かに文章もイラストも当人だと認識のずれはなく(当たり前だ)、とにかく読みやすいので好きだった。
自分の記憶だと、折原みとが表紙・挿絵だけでなく自分で文章も手掛けたティーンズハートシリーズあたりから目にし、後になって東海林さだおの「丸かじりシリーズ」にはまり、コミックエッセイの類も気になるものは読んでいる。
 そんな中で、自分の出産・育児体験のコミックエッセイがブレイクしたまついなつきにはまり、一時期は図書館でコミックエッセイの新刊が登場するたび借り、さらに気に入ったものはそろえていた。そこから数十年たって、それでも所持している今回の「東京暮らしの逆襲」。もともと図書館で親本を借りて面白いと思うものの、文庫化まで少し時間がかかった上に見逃していたため、大分後になってから古本屋で買った始末。
若いころは「ひとり飯」の章に憧れを持って読んでいたが、中年となった今は食器の選び方の箇所に目が行く。もっと年を取ったらどこに目が向くのかも楽しみだったりする。

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