スポーツデザインヘッド

スポーツは使われないといけない-スポーツをデザインする-

アメブロでこんな記事を前に書きました。

自分の目的が他者の重要な手段となったとき、目的は達成されやすくなる。

サッカーのゴールの大きさを2倍にしよう---顧客志向でスポーツをデザインする、という発想

スポーツを普及させる方法:地域コミュニティという視点から

スポーツのあるべき姿=顧客視点から見た部活動の限界

これらを見返して、共通するのは言いたいのは「スポーツは使われないといけない」ということ。

スポーツマネジメントに関わる人間にとって共通する必須の視点だと思うのですが、「観る」スポーツも「する」スポーツも「顧客」がいて、顧客のニーズにあったサービスをデザインしていかなければいけないです。

さらにスポーツは様々な顧客がいるということも認識しないといけないです。観客や、イベント参加者だけが顧客ではないのです。

これはどういうことか?
例を上げます。

○公共施設や公道を使えるのは、行政がスポーツの価値を理解して投資しているから。
○学校教育に体育があるのはスポーツに教育価値があると行政が理解しているから。
○スポンサーが付くのはそのスポーツが自社の価値を高めることを理解しているから。
○運動会を開催するのは参加者間の交流促進が有益だと主催が理解しているから。
○メディアがスポーツを取り上げるのは注目を集めるコンテンツだと理解しているから。
○親が子供をスポーツスクールに通わせるのは子供の成長に良い影響を与えると理解しているから。

このように、観客やイベント参加者に限らず、行政・学校・スポンサー・メディア・保護者など、スポーツの価値を理解して様々な形で投資をしている顧客が存在します。

そして、これが一番大事なのは、これらの顧客のニーズの第一は「高度なスポーツをする/観るではない」ということです。

行政や学校であれば、「街づくり」、「交流促進」、「健康増進」、「青少年の健全な育成」などがニーズですね。
スポンサーであれば「企業価値の向上」や「広告宣伝」、「販売促進」がニーズです。
メディアであれば「話題の提供」がニーズです。
親であれば「我が子の健全な成長」がニーズです。

イベント参加者や観客の中にも「高度なスポーツをする/観る」ではなく、「友人との交流」などが第一ニーズの人も一定数いらっしゃると思います。

もちろん、上記のニーズを叶える一つの手段として「高度なスポーツ」を目指すのは間違いではないです。

しかし、顧客の存在を見失い、「高度なスポーツ」が目的になってしまって、ニーズから外れてしまう場合があります。

例えば・・・

○高度なスポーツだけを求めて、罵詈雑言が飛び交うスポーツ少年団。
○試合運営だけ行い、観客を楽しませることをしないスポーツ大会。
○スポンサーには支援のお願いは強く行うけど、スポンサーの価値向上になる取り組みをしないスポーツチーム。

などです。

このような状態が続くと本来獲得できたはずの顧客が減少し、そのスポーツに関わる人やお金が減り、そのスポーツが衰退していきます。

なので、「自分が関わっているスポーツにはどのような顧客がいるか」を広い視野で認識し、それぞれのニーズを直接・間接様々な形で把握していくことが必要です。

そして、そのニーズがかなう形にスポーツをデザインしていかなければなりません。

スポーツをデザインするとはどういうことか?
扱うスポーツコンテンツによって様々な形がありますが、例えば

・試合のルール
・大会のレギュレーション
・選手獲得/移籍のルール
・観客の動線
・観客へのサービス
・試合中のイベント
・スクールでの指導方針
・試合外でのイベント
・メディア対応

などが、顧客のニーズを満たす内容になっているか、を考えてニーズを満たす形に作り上げることがスポーツをデザインする、ということと言えます。

また、ここであげた項目はほんの一部です。
どんな顧客がいるか、を広い視野で考えると色々な可能性が見えてくると思います。

スポーツを発展させるには、そのスポーツが誰かの役に立つ存在となることが重要です。

ただ、この人・団体が顧客になりそうだけど、顧客のニーズが掴みきれない、という場合も多いかと思います。
そんな時に私がやっている方法をご紹介します。

①顧客候補に関する情報を集めれるだけ集める。(新聞・雑誌記事、SNS、ホームページ、事業報告書、など)
②それらを踏まえた上で自分なりに仮説を立てる。
③仮説を持って直接会いに行って「何か貢献できることはないか」と聞く。ざっくらばんに色々話したら、タイミングを見て仮説をぶつけてみる。
④仮説の手ごたえがある様だったら、具体化してみる。仮説が外れた場合、会った時に聞いた話から新仮説が出来たらそちらを具体化してみる。何も手ごたえがなかった場合、「もし○○があったら出来そう」という可能性を探ってから一旦温める。

他にも、色々なやりかたをされている方がいらっしゃると思いますが、良かったら教えて下さい。

いつか、「こんな風にスポーツをデザインしたよ」という実践報告会のオンラインコミュニティでもいつかできたらいいなと思ってます。

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