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実話怪談の記事を集めました。

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こつこつと更新している怖いお話を、実話怪談集としてまとめました。 基本的に一話完結であり、各話に繋がりもありません。一話目から順番に読んでもらっても構いませんし、気になった話だけ… もっと読む
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記事一覧

実話怪談 #53 「ポタリ……」

 これは十代後半の女性、水原さんの談である。  水原さんは大学に入学したさい、一人部屋の…

烏目浩輔
3日前
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実話怪談 #52 「石段」

 これは二十代前半の女性、小山さんの談である。  小学生の頃の話だという。  当時住んで…

烏目浩輔
2週間前
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実話怪談 #51 「クミちゃん」

 三十代前半の女性、福井さんの談である。  福井さんには五歳になる娘さんがいる。  ある…

烏目浩輔
2週間前
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実話怪談 #50 「意図がわからない」

 十代後半の女性、野口さんの談である。  高校三年生の野口さんは、二階の自室で受験勉強を…

烏目浩輔
3週間前
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実話怪談 #49 「ギィィ……」

 二十代前半の男性、前田さんの談である。  中学生のときの話だという。  それまで住んで…

烏目浩輔
3週間前
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実話怪談 #48 「ときどき本当に」

 十代後半の女性、川瀬さんの談である。  現在の川瀬さんは高校生だが、当時は小学校高学年…

烏目浩輔
1か月前
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実話怪談 #47 「シニマブイ:後編」

 巾着袋の中身は石だという。鉄のように重い石の正体が気になったものの、詳しく知っていけないし、見てもいけないそうだ。  翌日から石嶺さんはSさんにもらった巾着袋を制服のポケットに忍ばせて通学した。どうにも頼りのない巾着袋だったが、それからまったく男児を見かけなくなった。一年生のあいだも二年生のあいだも男児の姿を見せず、ついには高校を卒業するまで一度も姿を見ることがなかった。  Sさんのユタの能力は本物だったのだろう。巾着袋を頼りのないと思ってしまったことを申しわけなく思った

実話怪談 #46 「シニマブイ:前編」

 三十代前半の男性、石嶺さんの談である。  現在の石嶺さんは大阪に移り住んでいるが、二十…

烏目浩輔
1か月前
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実話怪談 #45 「視界の端」

 これは二十代半ばの女性、島崎さんの談である。  二時間ほど残業をした日のことだという。…

烏目浩輔
2か月前
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実話怪談 #44 「倦怠感」

 これは三十代前半の女性、木下さんの談である。    木下さんはスタッフが五人いるサロンで…

烏目浩輔
2か月前
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実話怪談 #43 「忘れる」

 二十代後半の女性、広川さんの談である。  広川さんは総合病院に勤めて四年目、中堅クラス…

烏目浩輔
2か月前
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実話怪談 #42 「廃墟」

 二十代前半の男性、須藤さんの談である。  須藤さんには同じ大学に通うIさん、Sさん、Y…

烏目浩輔
2か月前
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実話怪談 #41 「あの音:後編」

 野池で釣りをしてから約二週間後のことだった。  Sさんはマンションの四階に、両親と姉に…

烏目浩輔
2か月前
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実話怪談 #40 「あの音:前編」

 二十代後半の男性、津村さんの談である。  その日、津村さんは趣味のブラックバス釣りに出かけた。同行者は大学時代からの友人であり、釣り仲間でもあるSさんだった。 「新しい釣り場を開拓しようぜ」  Sさんがそんなことを言い出したため、釣り場に選んだのははじめての野池だった。オンラインマップを使って山の中腹に見つけたのである。  野池の近くに着いたのは昼過ぎだった。すると、雑草にびっしりと覆われているものの、車を駐車できそうなスペースがあった。  津村さんはそこにワンボック