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2019年9月、内山牧場へのバイクパッキングで試したフルリジッドMTBフロント大盛り積載が好感触

友人が企画している年に一度の自転車キャンプツーリングの集いに行ってきました。今年は長野と群馬の県境付近にある内山牧場キャンプ場に集合です。昨年の木崎湖ではサスペンションフォークの入った車体での積載に悩んだので今回はその反省を踏まえた装備で参加。

ざっくり自己採点すると75点といったところでしょうか。荷物の余裕が増えました。衣食住の「住」は軽さとコンパクトさを優先しましたが、「衣」「食」は予備を少し多めに積むことができて安心でした。行動時の機動性についてもややガレた未舗装林道を快走できるレベルを達成できました。

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車体

車体は26インチの車輪を前提に設計されたクロモリ鋼のマウンテンバイク。

前の車体よりも現代的な骨格です。フロントフォークは29インチ用のクロモリリジッドで、前輪には太めのタイヤを履いています。リア10速のフロントシングル。ブレーキは前後とも油圧ディスクです。

フロント周り

今回の最大のポイントが車体前部への大盛り積載です。かさばるけれど軽い品は人間の前か後ろに配置するのが合理的。その際の配分に関しては、自分は前が多めが好きです。それをちょっと極端にやってみました。

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ちょっと加工を施した安いアルミのラックをホースバンドとボルトでフォークに固定、その上にマットを載せ、さらに上にバックパックを積んでアイゼン用のベルトでくくっています。くくったまま中身にある程度アクセスできるパックなので便利です。前後とも油圧ディスクブレーキにしたおかげで、ハンドルバーに荷物をぎゅっと寄せても影響を受けません(いわゆる機械式だとここのところが難しいです)。変速も大丈夫でした。

バックパックに格納した品を次に羅列してみます。
・シェルター本体
・シェルター用の支柱(折り畳み式)
・ペグ、ガイライン
・シュラフカバー(単体使用)
・寝る時に頭部だけ覆ってくれる蚊帳
・防寒着(ダウン上着、化繊長袖、ショーツの膝から下の部分)
・肌着と靴下の替え
・洗濯物を入れる、防臭性があるらしい袋
・レインウェア上下(すぐ出せる位置に入れる)
・レイン手袋、パック用レインカバー(外のポケットに)
・救急キットとケア用品
・食器類
・モバイルバッテリー等
・コンパスと地図
・ポケッタブルバックパック
・食糧
濡らしたくないものは防水性のあるスタッフサックやジップロックに入れたので、パックに被せるレインカバーは必要なかったですね。活動エリアの気温などを考慮すると、化繊長袖も省けたかも知れません(でも迷ったら詰めておく方が良いです)。レインパンツもペダルを踏む動きを多少なりとも阻害しますし、夏場は発汗で意味をなさなくなりがちなのでレインショーツあるいはレインスカートの方が適していると思います。

前三角

前三角の使い方は前年と同じです。Giantのフレームバッグにモンベルのトライアングルバッグ。前方にちょこっと空間が余っていたのでボロ布をベルト留めしました(何かと便利です)。

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小さい方のバッグには工具類と小型ポンプ、替えチューブ1本。大きいバッグにはアルコールストーブセット(ストーブ、風防兼五徳、アルコール、ファイアースターター)と予備の水を1リットル、そして替えチューブをもう1本。コンパクトだけれど重い品をここにまとめるようにしています。キャンプツーリングに関していえば、前三角の最大活用を重視するこの考え方は自分の中でずっと一貫しています。

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最後の写真は先日やった秩父~信州3泊ツーリングの時のものです。

コックピットとサドル後ろ

ステムの左右に取り付けたポーチにボトルと補給食、電解質タブレットなどを放り込んでいます。それぞれのメッシュポケットには化繊タオルとゴミ袋。サドル後ろのバッグには輪行袋(兼グラウンドシート)を入れてあるだけで、脇にビーチサンダルをぶら下げています。

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こうして書き出してみると、前から順に品数が明らかに減っていっていますね。悪路をダーッと下っていたら知らないうちに無くなっていた、みたいなことが起きても生存への影響度が高くない品を後ろに配置するのはそれなりに合理的だと思います。リアが重くなった際の挙動が好きではないのが一番の理由ですが。

自分が身に付ける荷物

写真を見返してみると、走行中もバックパックを背負う構成の仲間が過半数でした。自分は夏場に自転車に乗るなら手ぶらに近い状態が好みです。そんなわけで今回も襷がけのカメラバッグのみ。カーゴショーツのポケットに貴重品や小物を入れました。

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もう一つの狙い

今回のフロント大盛り積載には、単にやってみたかったという以外の理由もありました。それは、押し担ぎの必要なルートによるキャンプ地へのアプローチです(現地集合なので個々に異なります)。

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主要な荷物を一手に引き受けているフロントのバックパックは、人間が自転車から降りると途端にバランスの悪いものになります。舗装路を押し歩くぶんには気になりませんが、山道となると話は別。ゆえに、そのパックを背負ってしまうモードチェンジは理に適っています。一つのパックにまとまっていると、チェンジも素早く行うことができます(追加作業は水の移し替えくらい)。前三角が埋まっていると担ぎのバリエーションは少なくなるものの、サドル下に肩を入れてダウンチューブを抱える簡易的な方法、ダウンチューブ下に肩を入れて大きく担ぎ上げ障害物をクリアする方法、バックパックの上に自転車を載せて両肩で担ぐ方法は使えます(この方法はバックパックが無かったり小さ過ぎたりすると逆に上手くできません)。万が一の場合に人間の安全を優先して自転車を放棄することも想定内です。

まとめ

今回は概ねイメージ通りだったので、これといって反省点はありません。シェルターの支柱はサドル後ろでもいいかな、とか、その程度です。フォークを改造して脇にバッグ類を取り付けられるようにすると、食器や一部の食料、酒など、押し担ぎモードでバックパックに入れなくてもよい品をそちらに移すことができ、気温の低下に伴う荷物の増加にも対応することができますね(あまり大きくなると山道で邪魔になりそうですが)。

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西上州から信州へ、8月を見送る道のりといった趣のバイクパッキングでした。内山牧場エリアへはもう秋の風と光がやってきています。

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