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この世の歩き方

 学生時代、あるいは子供の頃に今ぐらい本を読んでおけば良かったと思う。小学生の時に思っていた〈どの本を読めばいいのか判らない〉という疑問が何処から湧いてきたのか考える。親や先生に「こんな本を読んだんだね」と褒めたり関心を持って欲しかったんだ。興味の赴くままに乱読する楽しさを知ったのは息子が小学校に上がった後からだ。一世代分遅れている。

心の監獄

エディス・エヴァ・イーガー著 
 著者は「もう一人のアンネ・フランク」として有名らしい。アウシュヴィッツを生き延びアメリカに渡り心理学博士になられた、私から見るとちょっとド派手なおばあちゃま

 この半年間、どう自分の気持ちを整えたらいいのか、あるいは自分は壊れてしまっていないか確認するために本を読んだ。心理学/医学書/スピリチュアルまで多彩であり、グリーフケアからアダルトチルドレンまで自分の深層に迫れたような気もする。

そんな深層に迫れても解決することができない〈見えてきたモヤモヤ〉を私に向いた方法で一刀両断してくれるように感じられる本だ。
 

  • 自分から被害者になるな

  • 被害者でいると自分に対して加害者になる

  • 自分で自分を監獄に閉じ込めるな

一見ド派手に見えるおばあちゃまは、解決の仕方も実に明快。
アダルトチルドレンの原因になっている幼い自分の手を引いてお外に連れ出して開放を宣言してその子の親になってあげるだの、過去の忌まわしい出来事を紙に書いて、庭に深い穴をほって埋葬してしまえだの...。

おまじないの類ではないのだから、何でもいいのだろう。お焚き上げしてみたり、紙に書いてビリビリに破ってみても。要は「もう私はこんな事には振り回されない」と別れを告げる儀式を行う勇気を出せれば。

死別

 死別から立ち直るとは一体どうなることだろうか。この問題もグルグルと考え続けてきた。

 学生時代の友人と会うと、思い出話に花が咲く。当時から親とは上手く行っていなくてイライラばかりだったし、学生時代につきものの黒歴史もあるし、なんであんな男と付き合っていたのかねという思い出もあるのに、今となってはザックリ「楽しかった」に集約できる。

新卒で就職してヒステリックになる局はいるわで大変だったけれど、学生時代を懐かしむ訳でもなく仕事に終われ日々が過ぎていった。この流れを今回も体験しなくてはいけないんだと思う。

 そんなことを書きながら「なんで(彼が)いないんだろう」とふと感じるのだが、もう一段階進んで「楽しかったね。ありがとね」という宝箱に入れて、日々の喧騒に紛れて生きていかなくてはいけないのだろう。

 誰もが結婚を決めたり、就職先を決めたり〈人生を選択〉している。自分の背中を押す方法はポチッとな程度の力で十分なのだろう。押し出される勇気を持つのが大切で、一番大事なのは「彼は絶対に見ていてくれる。応援してくれる」と信じ切る事だと今は思う。
 ギリギリで「今は」とヘナチョコな自分が出て来て書いてしまっているが、この〈信じ切る〉事こそ、私が半年悩んで得た「乗り越える」第一歩だと思う。

 なんでいないんだろう。なんで夢に出てきてくれないんだろう。そこでグルグルしていた私ならば、「絶対にいつも一緒にいるから大丈夫」と確信することは出来ていなかった。だから、信じきれれば大丈夫だと思う。

9月29日

 この日は、命日の一日前。最後のデートの日で救急搬送された日。私が彼といられた最後の日。とても大切な日。
奇しくもイーガー博士のお誕生日だった。ご縁があるように感じられて嬉しかった。英ペならお礼状をツイッタで書けるのに...。

 まだ読み終わっていないけれど、これから先も何度も読み返す本になりそうです。


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