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父は地域猫を愛でている。便宜上、地域猫と表しているが、父が野良猫を餌付けしただけである。
僕は父のこの行為に苦しめられた。
動物病院でその猫に避妊手術を受けさせたり、近所に理解を求めて回ったりもした。何より、猫餌代は家計を圧迫している。

父への恨みは尽きないが、その猫にも恨みがある。
勝手口にあるつっかけは糞尿まみれにされ、干している合羽は毛だらけなのである。傘に至っては爪研ぎにされている。外にあるだけで穴をあけられてしまうので、外に干すのもままならない。猫は夜もうるさい。僕に懐くこともないので、僕にはまるでメリットがない。

しかし、夜泣きをBGMに毎日寝ていて、傘にあいた穴まで微笑ましいと猫を愛している家族(ひと)がいる。それが父だ。
父はいつもラジオをBGMに寝ていたので少しぐらいの音は眠りに影響が無いらしい。また父が使う傘は仕事柄手に入れた中古品で、傘への愛着は他の人よりないらしい。だから傘で爪を研ぐ猫も愛せるのだろう。

でも、ここまで猫への恨み節を綴っておきながら、僕が猫を嫌っているというのは少し違う。だって、僕が普段使いしている傘には穴があいているのだから。大して雨を凌ぐことのできない傘を後生大事に使っている。

僕や父にとって、傘は雨を凌ぐものではない。
猫への愛の形なのである。

*今回も素敵なイラストをお借りしました♪

(追伸)
久々の更新です。
3週間で9本書いたのですが、どれも各所に喧嘩を売るような内容で…😅
作文添削の先生にはよく書けてると褒められたのですが、自主規制です…

少々自慢になりますが、近況を。
先日は、先月の模試の結果が判明。国語は学校で一番、全国偏差値も70目前ということで。
現在真っ只中である受験も一次を突破し二次へ。作文を使うのでね。今月は中頃まではハイペースで出します。悪癖が出ないといいけど😅

今回もお読みいただきありがとうございました!

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